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都市型物流拠点の「弱点」カバー

アマゾン、1時間配送を自社販売品以外へ拡大

2017年4月18日 (火)

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ECアマゾンジャパンは18日、最短で注文から1時間以内に配達する「プライムナウ」で、自社以外が販売する商品の取り扱いを開始した。

(報道陣の質問に答えるアマゾンの永妻玲子・プライムナウ事業部長)

第1弾としてココカラファイン、マツモトキヨシ、日本橋三越がプライムナウのアプリに「出店」。基本配送料540円で2時間ごとの時間帯指定配達を行い、一定の購入額以上で基本配送料を無料にする。また、追加費用890円で、注文から1時間以内に届けるオプションにも対応する。

アマゾンのプライム会員向けに提供する最短1時間以内配送サービスとして、初めて自社以外の商品を配送することになる。当初は東京都内12区と川崎市中原区、千葉県浦安市で提供し、段階的にエリアを拡大していく。

出荷拠点はそれぞれの店舗で、プライムナウのアマゾン側配送拠点から、配送車両が日本橋三越本店(東京都中央区)、ココカラファインの中延店(品川区)、マツモトキヨシ南砂店(江東区)へ集荷に向かい、店舗側があらかじめ用意した商品を受け取ってそのまま配達する流れとなる。

出店する各社は自社サイトでも商品を販売しているが、自社サイトや店舗を含めたほかの販売チャネルとの競合については「すでに客がオムニチャネル化している(ので、影響はない)」(ココカラファイン販促部マーケティングチーム・郡司昇マネジャー)として、プライムナウを通じて商品を販売することにより、販売機会が広がるとともに、「体調が悪いので店舗に出向けないが、商品を買いたい」(郡司氏)といったニーズに対応できるようになる。

アマゾンがプライムナウのサービスを日本で開始してから1年半近く経過したが、この間、同社は品揃えの拡充に取り組んできた。しかし、プライムナウはそのサービスの特性上、在庫・出荷拠点が都市型にならざるを得ず、一般的なアマゾンのサービスと比べ、これらの拠点で取り扱うことができるアイテム数、在庫量に限界があったのも事実だ。

今回の「サードパーティの商品」をアマゾンが配送する試みは、こうしたプライムナウの”弱点”を補い、「在庫スペースをアマゾンが確保しなくてもアマゾンのアプリで商品を購入し、アマゾンの配送車両が商品を届ける」という同社のビジネスモデルを堅持するものだといえよう。

サードパーティ商品の当初の出品数は3社合わせて1万1000点で、プライムナウの出品数は6万5000点に増加。スキンケア、基礎化粧品、メイクアップ化粧品、栄養補助食品、衛生用品、ヘルスケア、健康衣類、惣菜、和洋菓子、生鮮食品など、これまでのプライムナウで取り扱いの少ないジャンルがラインアップされる。

今後は提供エリアを広げていくとともに、このサービスと相性が良いと思われる、医薬品など取扱商品の拡大を目指す。