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内航主要60社、3月の貨物船輸送量3%増加

2017年5月18日 (木)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、3月の貨物船輸送量は2006万1000トンで前年同月比3%増となった。一方、油送船(タンカー)の輸送量は1117万2000トン(キロリットル)で2%減少した。

貨物船に分類される貨物のうち、鉄鋼は4%増。自動車や建設向け需要の回復が見られたほか、引き続き、1月に発生したメーカー工場火災事故の影響があった。

原料は主要貨物の石灰石がセメント需要に持ち直しが見られ7%増加。燃料は8%減。石炭は火力発電所向けの需要減少が目立った。紙・パルプは引き続き、需要の低迷によるメーカーの在庫調整があり2%減。

雑貨は1%減。前年の北海道で発生した台風10号の影響で、農産品の出荷量が低迷。また、熊本地震の影響から関東の工場で飲料の代替生産を行っており、沖縄へ飲料の送り込みが続いている。釧路港では流氷による輸送障害が見られた。

自動車は3%増。決算期もあり新型車の販売が好調となっている。セメントは五輪需要に対応した新サイロの完成に伴い増加し7%増加。

タンカーは、全国的に前年よりも低温となったものの、黒油は電力需要、製油所間転送の減少、在庫調整の影響があり減少し10%減。白油(ガソリン・灯油・軽油)は北向け灯油の輸送が旺盛だった前年と比べて今年は荷動きが悪く減少し2%減。

ケミカルは9%増。内需の回復のほか、工場の定修前の送り込みが見られたため増加した。高圧液化は16%増。LPGは値上げ前の駆け込み需要が見られ全体を押し上げたほか、建築需要に伴う塩ビモノマーの増加も見られた。

高温液体は11%増。アスファルトは値上げ前の駆け込み需要のほか、年度末の工事需要が見られた。耐腐食は6%減。苛性ソーダは需要減少と海難事故による輸送の停滞が全体を押し下げた。その他の腐食性液体(酢酸)は工場の定修により減少した。