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内航主要60社の貨物船輸送量、8%増加

2018年6月15日 (金)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほど発表した、内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、4月の貨物船輸送量は1882万8000トンで前年同月比8%増加、油送船(タンカー)の輸送量は978万1000トン(キロリットル)で3%減少したことがわかった。

貨物船を輸送主要品目別に見ると、鉄鋼は13%増。需要の高まりが見られたほか、前月より繰り越された貨物が見られた。引き続き、前年10月に神戸製鋼の高炉閉鎖に伴い、製鉄所間の製品輸送が増加している。

原料は4%増。石灰石はセメントの需要回復に伴い増加した。引き続き、金属鉱は神戸製鋼の高炉閉鎖に伴う横持ち輸送が減少し続けている。燃料は7%増。前月に引き続いて、石炭火力需要の高まりが見られた。紙・パルプは5%減。新聞用紙は需要の減少が見られた一方、休転前の前倒し輸送があった。段ボール古紙は堅調。

雑貨は21%増。仙台向けコンクリート部材、政府米、飲料、衣料品、加工用馬鈴薯の輸送が見られた。トラックドライバーの長距離輸送対策に伴い清水航路での輸送が増加している。沖縄航路は観光客や移住者の増加に伴い、マンションやホテルの建設ラッシュが続いており、資材等の貨物が好調。自動車は3%増。軽自動車の販売が前年より増加した。セメントは6%増。セメント工場の定修前の送り込みが見られた。また、セメント販売の回復も増加に寄与した。

一方、タンカーでは、黒油が14%減。電力・油槽所向け転送需要の減少で滞船が発生し、輸送は低調だった。白油(ガソリン・灯油・軽油)は前年並み。中旬に低気圧や前線による輸送への影響が見られたが、京浜地区製油所への転送需要も見られ前年比では横ばい。

ケミカルは5%増。需要家向け輸送・製油所間転送が増加となった。定修の影響も見られたが、エチレンプラントの高稼働や輸入品の沖荷役もあり増加となった。高圧液化は5%減。好調なエチレン以外は全て減少し、主要貨物のLPGの減少が影響している。高温液体は7%増。アスファルトは需要家向けが堅調だった。耐腐食は7%増。引き続き、苛性ソーダや硫酸の内需が好調だった。