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3月の内航貨物船輸送量4%減少、雑貨・鉄鋼除き低調

2016年5月20日 (金)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほどまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、3月の貨物船輸送量は1943万7000トン(前年同月比4%減)と前年実績を下回った。油送船(タンカー)の輸送量は1143万2000トン(kl)で2%減となった。

貨物船に分類される貨物のうち、鉄鋼は減産などで環境が改善せず、前年並み。原料はスラグなどの落ち込みや鉄の減産の影響から9%減少した。燃料は石炭の陸側設備に検査が入った影響で輸送の減少が見られて2%前年を下回った。

紙・パルプは、国内販売が振るわず2%減だった。雑貨は復興用建材・部材(プレキャスト・コンクリート)のほか、飲料の輸送が堅調で1%増加した。

自動車は、2月に工場の操業停止などの影響があったことや、3月は年度末の販売攻勢から前月比では大幅な増加となったが、前年比では販売台数の低下が見られて5%減少。セメントは、工場の休転などの影響で大型船の稼働率がタイトとなったものの、西日本地区の在庫高で小型船の待機時間が長くなり、荷動きが低調で6%減少した。

タ ンカーは黒油が9%減、白油とケミカルが1%増、高圧液化が2%減、高温液体が4%増、耐腐食が7%増――となった。黒油はボンドバンカー向けや製油所転送の増加も見られたが、全体では暖冬の影響による電力需要の減少や他エネルギーへのシフトが見られたことで減少した。

白油(ガソリン・灯油・軽油)は製油所間の転送が増加したほか、低温により北海道、東北地区などで灯油の需要が旺盛だったため増加した。