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ワコン、医薬品輸送時の保冷箱内温度をクラウド管理

2017年6月9日 (金)
空白

ロジスティクス国内で唯一、空港に医薬品専用の梱包施設を持つ、物流・梱包サービスのワコン(和歌山県紀の川市)は9日、スマートフォンを使用し、保冷ボックスを開けることなく医薬品輸送時の温度管理ができるクラウド型システム「TempJohn」(テンプジョン)を開発したと発表した。

テンプジョンは、Bluetooth(ブルートゥース)通信に対応した計測器(温度ロガー)を保冷ボックス内に取り付け、スマホでデータを読み取り温度管理するクラウド型システム。

▲温度ロガー

医薬品が入った保冷ボックスの中に温度ロガーを入れるだけで利用でき、各地点でスマホを保冷ボックスにかざすだけで、箱を開けずに中の温度記録を読み込む。

読み取った温度記録は数十秒程度でクラウドサーバーに保存され、温度や湿度をグラフや表などにデータ化。管理者はインターネット環境があれば場所を問わず詳細を閲覧できる。さらに箱の中の温度が、あらかじめ設定した一定温度から逸脱すると、アラーム通知がメールで届く危機管理システムも搭載している。

また、温度記録を回収するために、送り先から温度ロガーを返却してもらうなどの手間を軽減するほか、温度記録を自動でデータ整理するため管理記録のペーパーレス化や、校正証明書がクラウドサーバーから出力でき、医薬品流通の国際基準「GDP」水準で輸送していることを容易に示すことを可能とした。

▲iPad

これまで温度記録を回収するには、輸送箱を開けて温度ロガーを取り出さなければならず、温度が急上昇していた。物流も製薬原料会社から製薬会社、医薬品卸会社、病院、調剤薬局と複数を介す場合が多いため、中間地点で温度を確認することができなかった。今回開発したテンプジョンにより、適正温度を保てずに輸送途中で温度逸脱した輸送箱を早期に発見し、回収するなどの対策も行えるようになる。