日米ともに｢宅配便は日本が高品質で安い｣と認識

調査・データ日本と米国のサービス産業を比較した場合、宅配便の品質は日本のほうが高いと認識されているにもかかわらず、その品質差は価格に反映されずに日本のほうが安い――と認識されていることが、日本生産性本部の調査でわかった。

（出所：日本生産性本部）

生産性本部が立ち上げた「サービス品質に関する日米比較調査研究会」で、現在の日本のサービス品質を日本人、米国人がどう評価しているかを調査。日本のサービス品質は、米国滞在経験のある日本人・日本滞在経験のある米国人ともに、今回対象とした28分野のほとんどで日本のサービス品質が米国を上回ると認識していた。

特に日本人調査では、宅配便や地下鉄、コンビニエンスストアなどといったサービスを中心に日本のサービス品質が10-20％程度米国を上回っていたが、サービス価格は、日本が米国より低いと認識する分野が大幅に増加した。

この結果に対し、生産性本部は「宅配便などを中心に米国より高いサービス品質を保っているものの、それが十分に価格に反映できていない状況にある」との見方を示している。

調査結果によると、米国滞在経験のある日本人は宅配便やタクシー、コンビニエンスストアなどの分野で日本のサービス品質が米国を15-20％程度上回っていると認識。ホテルや百貨店などでも10％程度米国より品質が高く、日本滞在経験のある米国人も、地下鉄やホテル（高級）などを中心に日本のサービス品質に対する評価が米国より高くなっている。

一方、サービス価格は日本人が大学教育・クリーニングなど9分野、米国人もホテル（中程度、高級）・宅配便など15分野で米国より低いと認識。前回調査（2009年）では日本人・米国人ともに対象18分野中17分野で日本のサービス価格が米国を上回っていたが、今回調査をみると日本の価格の方が低くなっている分野が大幅に増えた。

米国よりサービス品質が高くてもそれが価格に十分反映されていない状況が今回調査した28分野中25分野で見られ、特に宅配便や理容・美容などの分野でこうした傾向が顕著になった。