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三菱重工、江蘇政田にコンテナ船向クレーン製造ライセンス

2017年9月4日 (月)

荷主三菱重工業は4日、傘下の三菱重工メカトロシステムズ(神戸市兵庫区)が中国の江蘇政田重工にホースハンドリングクレーン、コンテナ船向けスリム型デッキクレーンの製造・販売権を供与することで合意し、ライセンス契約を締結したと発表した。

江蘇政田へのライセンス供与は、2008年のバルクキャリア向けデッキクレーン、12年の甲板機械、舵取機に次ぐもので、三菱重工では舶用機械製品のシェア拡大につなげていく、としている。

製造・販売権を供与するホースハンドリングクレーンは、つり上げ荷重10トン、15トン、20トンの3シリーズで、主にMR型以上のタンカーに搭載されるもの。また、コンテナ向けスリム型デッキクレーンは同45トンシリーズを供与する。

今回のライセンス契約により、江蘇政田はデッキクレーン、舵取機、甲板機械にホースハンドリングクレーンを加えた4製品を、三菱重工グループの技術によるものとして供給できることとなる。主力製品だバルクキャリア向けデッキクレーンに、タンカー向けホースハンドリングクレーン、コンテナ向けデッキクレーンが追加されることで、より広範な需要への対応が可能。

江蘇政田は、05年にウインチ製造会社の政田鉄工(大阪市西区)と江蘇省の産業機械製造会社の合弁で設立された舶用機械の製造会社で、江蘇省南通市に本社を構える。

デッキクレーン、甲板機械、舵取機ともにグループ会社に事業を移管する以前の三菱重工業とライセンス契約を締結して以来、生産能力を増強しながら順調に生産台数を伸ばしてきており、19年には敷地面積24万5000平方メートルの新工場を稼働開始させる計画。

ホースハンドリングクレーンは、石油などの液体貨物を海上輸送するタンカーに搭載され、陸側の液体貨物移送用ホースを船舶側のタンク接続部に接続する際のホースハンドリングの際に使用される。

三菱重工は74年に初号機を完成させている。また、45トンスリム型デッキクレーンは、クレーン施設が整備されていない埠頭でコンテナ積み下ろしを行う小型コンテナ船に搭載される。コンテナ船のコンテナ積載数をできるだけ多く確保できるよう、本体は通常のデッキクレーンに比べてコンパクトになっている。