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日本シューター

耐熱性と強度に優れる感染性廃棄物収納容器開発

2017年11月16日 (木)

ロジスティクス医薬品廃棄物処理事業を手がける日本シューター(東京都千代田区)は15日、自社開発のリサイクル容器を用い、耐熱性と強度を兼ね備える感染性廃棄物収納容器「サイクルペール」を開発した、と発表した。

▲システム概要図

注射針や血液が付着した物などを分別する手間がなく、繰り返し使うことで製造・配送のコストやCO2排出量を削減することが可能。また、耐貫通性試験では、日本産業廃棄物処理センターが定める容器評価基準値をクリアしており、鋭利な形状の廃棄物をより安全に廃棄できるようになる。

耐熱性は特殊素材を採用して121度の高圧蒸気滅菌に耐えられる構造とした。また、容器に使われるプラスチック材料の開発には、帝人、岐阜プラスチック工業が協力した。

これまで感染性廃棄物の収納容器は、注射針などの鋭利物をプラスチック容器、血液付着物をビニール袋内蔵段ボール容器に収納し、そのまま焼却や溶融などの方法で処分してきたが、容器そのものが廃棄物となるため、処分コストがかかり、環境への負荷も問題となっていた。

最近では、コスト削減のため脆弱なプラスチック容器や廉価な段ボール容器が使用されるケースが増え、容器の破損や注射針が貫通するなどの事故が起こり、「分別間違い」で段ボール容器からの針刺し事故に関する報告も増えているという。

同社は4月、サイクルペールを利用した容器循環型感染性廃棄物処理システム「サイクルペールシステム」を提携先のメディカルパワーにサイクルペール滅菌用の専用機器として設置し、横浜市より許認可を取得、共同で運用している。

密閉建屋内に設置したアームロボットが全自動で容器の中から廃棄物を取り出し、高圧蒸気滅菌装置、洗浄機を経て再利用。容器の蓋が閉まった状態で投入口にセットするだけで滅菌工程まで全自動で運転される方式で、作業員の安全性も担保されているという。

すでに神奈川県警友会けいゆう病院で試運用を開始しており、来春にも本格稼働に入る。1日の最大処理能力は1600個。