東芝、タイにディスクリート後工程の新工場建設

拠点・施設東芝は24日、タイのプラチンブリ県304工業団地にディスクリートの後工程（組み立て）を行う工場を建設し、バンカディ工業団地の東芝セミコンダクタ・タイ社（TST）を移転すると発表した。

TSTは小信号デバイスやフォトカプラなどを取り扱っているが、小信号デバイスが今後、スマートフォンやタブレットPC向けを中心に市場拡大が見込まれているほか、フォトカプラも需要増大が見込めるとして、最新ラインを導入するなど、現工場より高効率で生産性の高い最新鋭工場を建設することで、増大する需要に対応する。

新工場を建設する304工業団地はバンコクから北東に約140キロメートル、海抜15-20メートルの場所に位置し、近隣に大きな河川がなく、これまでも洪水被害を受けなかった地域であるため、BCP（事業継続計画）の観点から建設地として決めた。

建設地の敷地面積は現工場の1.4倍で、二階建ての工場建屋を建設する。7月に着工、2013年春に竣工する。建設費用として昨年の洪水被害による保険を適用する。建設後の設備投資額や投資内容や生産能力、生産計画などは「市場動向を踏まえ、今後段階的に決める」としている。

TSTは1990年から小信号デバイス、フォトカプラなどの後工程を行ってきたが、昨年10月の同地域での洪水で被害を受け、操業を停止している。代替生産として国内グループ拠点やマレーシアの同社現地法人で生産、アウトソーシングを活用するなどして対応してきたが、今後も「BCPの観点から当面の間、代替生産を継続していく」という。