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デンソー、本社工場で基準の280倍土壌汚染

2018年2月28日 (水)

荷主デンソーは28日、愛知県刈谷市の同社敷地で工場建屋を解体する工事計画に伴い、土壌・地下水調査を行った結果、土壌汚染対策法や愛知県条例の基準を超える特定有害物質を検出した、と発表した。同社は同日、調査結果を愛知県に報告した。

汚染が判明した場所はコンクリート舗装、不透水シートで覆われており、「汚染土壌の飛散や流出のおそれはない」(同社)。また地下水汚染は、これまでも地下水の流向の下流側で揚水井戸による汚染地下水の回収、浄化を行っており、モニタリング結果から「敷地外への流出がないことを確認」しているという。

調査はデンソー本社工場の1万1444平方メートルで17年3月1日から18年2月27日にかけて実施した。

その結果、土壌溶出量はベンゼンが基準の280倍、六価クロム化合物が92倍、シアン化合物が13倍などと基準を大幅に超過したものがあった。土壌含有量は鉛とその化合物が基準の3.3倍。地下水はベンゼンが基準の130倍などとなった。

土壌・地下水汚染の原因について、同社は「ベンゼンは、過去に試験などに使用したガソリンに由来するもの、カドミウム、その化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、鉛、その化合物、ふっ素、その化合物、ほう素、その化合物はエンジン関連部品の金属めっき工程、表面処理工程で、それらを含む化成液を使用していた」と説明。

工場の床面は不浸透構造だったが、経年劣化などによるひびから、一部が土壌に浸透した可能性があるという。

今後の対応として、汚染土壌については建屋解体時に合わせ、すべて掘削除去。地下水は汚染の発生源である上部の汚染土壌を取り除くとともに、汚染地下水の回収、浄化、地下水のモニタリングを実施するとしている。