ロジスティクス郵船ロジスティクス、サトー、浪速運送の3社は22日、海外から調達するファッション・アパレルの物流向けに、海外検品・検針から国内施設納品までのサプライチェーン全体のデータ入力・管理効率を高めつつ、店舗別アソートや直流ニーズにも対応する物流サービスを開始すると発表した。まずはカンボジアから提供を開始し、需要に合わせて東南アジア、中国へ展開していく。
新サービスは、郵船ロジが自社の物流情報可視化システムと2016年からサトーの梱包情報管理システムを組み合わせて提供していた「顧客の発注情報」「海外工場・倉庫での梱包・出荷情報」「国際輸送情報」の連携システムと、同年末から海外縫製工場で生産された顧客商品を浪速運送のカンボジア国内の検品物流センター「F.D.NANIWA」で検品・検針、流通加工、店舗仕分けを行い、郵船ロジスティクスが国際輸送を担うサービスを統合することで実現したもの。
サトーとの連携では、バーコード、RFID、ハンディスキャナーを利用し、書類作成やデータ入力作業の削減、貨物とデータ・書類の不整合の未然防止や作業効率を高める仕組みで、浪速運送との取り組みでは、検品情報と輸送情報を同一システム内で可視化して一元管理し、顧客が日本側に設けていた物流センター機能を浪速運送が一括で請け負い、人件費の安い海外生産地に機能移管することで、ローコストで運営できるようにしていた。
今回のシステム統合により、作業拠点を浪速運送の現地検品物流センターに集約することで、顧客に海外調達物流業務の効率をより高めることができる手段を提供し、「サプライチェーン全体の可視化を進めたい」「納入先より直流を求められている」といったニーズに対応する。
具体的には、海外での検品検針から国内施設納品までサプライチェーン全体の情報をバーコードやRFIDを用いてデータを管理・可視化し、データ入力・管理での効率化と省力化を図る。作業拠点を浪速運送の現地検品物流センターに集約することで、海外工場側で新たにラベルプリンターやスキャナーを導入することなく、初期コスト・セットアップ費用を抑える効果も見込めるという。
さらに、浪速運送現地検品物流センターで店舗別アソートやSCMラベル貼り付けることで、直流サービスにも対応する体制が整い、顧客はサプライチェーンの全体最適化、デイリーワークの効率化、収益性の向上などが期待できるようになる。