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大和ハウス、物流倉庫の施工省力化へ新技術

2018年3月29日 (木)

産業・一般大和ハウス工業は29日、フジタ、日鉄住金鋼板の3社と共同で、新型の金属サンドイッチ外壁パネルを開発し、物流倉庫の施工の省力化を可能にする外部無足場工法「(仮称)ノスキャップ工法」を実用化したと発表した。

大和ハウスグループでは、技術者不足対策・建設現場の労働環境改善のため、省力化や短工期化など生産性向上を図る新技術の開発を行っている。こうしたなか、大和ハウスとフジタは、大規模施工現場での省力化を図るため、2013年から同工法の開発に着手し、外壁施工に必要な作業員数を最大3割削減することを可能にしたという。

一般的に、物流施設や工場などの外壁を施工するには、外部足場を組み、下地材にパネルを1枚ずつ取り付ける必要があるが、外部足場の設置・撤去作業は多くの作業人員や作業日数を要している。

そこで、大和ハウスとフジタは、日鉄住金鋼板と共同で新型の外壁パネルを開発し、外部足場が不要で屋内から取り付けることができるノスキャップ工法を実用化した。

同工法は、地上で複数枚の外壁パネルを接合したユニットパネルを製作し、クレーンで吊り上げて、建物の躯体に取り付ける。フジタ施工の物流施設で同工法を採用し、外壁施工の生産性向上を実証した。

パネルは、芯材(ロックウール)を拘束材(鋼板)でサンドイッチ状に挟み込んだ建材で、重量20キロ1平方メートルあたり)、働き幅600-1000ミリ、厚さ50ミリで、長さは最大10メートルまで製作でき、耐火認定(30分・1時間)を取得している。

今後、深刻化する人手不足の解消に向けて、大和ハウスとフジタは、共同開発したノスキャップ工法を大型施設開発に採用し、施工現場の労働環境改善を目指す。

ノスキャップ工法の由来は、ユニットパネルを用いた無足場工法の英訳「Non-Scaffold Unit Panel」(ノンスキャッフォールドユニットパネル)を略し、NoScaUP(ノスキャップ)工法としている。

▲「(仮称)ノスキャップ工法」を使用した物流施設