ドライバーの顔検知し注意促す、デンソーが後付モニター発売

環境・CSRデンソーは15日、トラックやバス向けに、車内カメラのドライバーの画像を読み取って注意を促す後付け「ドライバーステータスモニター」を同日から販売開始すると発表した。

この製品は、車室内のカメラで撮影したドライバーの顔の画像から、脇見、眠気、居眠り、不適切な運転姿勢などの運転状態を推定し、音声で警告するもの。

また、検出した運転中のドライバーの状態はSDカードに記録され、運行管理者とドライバーは警報の回数や警報時のドライバーの画像などの運転状況を振り返ることができ、安全運転指導に役立てることが可能。

今夏には、デンソーが発売する商用車向け新型テレマティクス端末、富士通製のクラウド型デジタルタコグラフと連動させることで、リアルタイムに運行管理者にドライバーの居眠り運転などの状態を通知することも可能になり、ドライバーへの注意喚起や、緊急時のすばやい対応ができるようになる。

全国のバス・トラック販売店、デンソーセールス、デンソーサービス店などで販売を開始し、段階的に海外展開していく。価格はオープン。

デンソーは、2014年に「ドライバーステータスモニター」を開発し、現在、大型トラックや大型観光バス向けに製品を提供している。17年には、ドライバーの状態検知性能のさらなる向上を目的にフォトネイション社（アイルランド）と協業を開始し、次世代型製品の開発を加速させてきた。

新製品は、フォトネイション社の持つ顔画像認識とニューラルネットワーク技術により、検出する顔特徴点を格段に増やすことで、運転状態の検知精度とマスクやサングラスなどによる顔の部分隠ぺいに対するロバスト性を飛躍的に高めた。

トラックやバスなどの大型商用車両は事故による被害が甚大化しやすい一方で、車齢が長いため既販車両には最新の安全装置の普及が進みにくいという課題があるが、今回発売するドライバーステータスモニターは、既販車両に後付けで装着することができるため、大型商用車への安全装置の普及を加速させ、前方不注意などに起因する事故の低減に貢献する。