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全ト協、燃料高騰対策に総力上げ交付金維持加速

2026年3月5日 (木)

ロジスティクス全日本トラック協会は5日、第214回理事会を開催した。冒頭、寺岡洋一会長は、不安定な国際情勢に伴う燃料価格の急騰に強い危機感を示した。会長は、原油先物相場の代表的な指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)の動向に触れ、「つい最近までWTIは66ドル前後だったが、今では75から80ドル、毎日4ドル5ドル上がっており200ドルまで上がるという声も聞かれる」と現状を分析。この事態に対し、トラック業界単独での対応は困難であるとの認識を示し、バスやタクシーなど他の輸送業界と連携しながら「国土交通省の助力を得ながら、ロビー活動を展開し、なんらかの助成制度を求めていくべきだ」と述べ、政策的支援を強く求めていく考えを表明した。

▲全日本トラック協会会長の寺岡洋一氏

また、衆議院の解散により一度は廃案となった「運輸事業振興助成交付金」の維持法案については、坂本克己最高顧問による多大な尽力を背景に「一新して、年度内成立を」と、今国会中の議員立法として再提出を目指す決意を語った。寺岡会長は、この交付金制度は「全ト協や各都道府県のトラック協会の存続に関わる」ほど重要であると強調し、一致団結した支援を呼びかけた。

▲国土交通省大臣官房総括審議官の岡野まさ子氏

来賓として出席した国土交通省の岡野まさ子総括審議官は、4月から全面施行される改正物流法や、再々委託の制限を含むトラック適正化2法の運用開始に触れ「物流分野では近年取り組んできた施策が、いよいよ仕上げの時期に差し掛かっている」との認識を示した。特に、活動3年目を迎えたトラック物流Gメンが2000件を超える是正指導を行い、中国運輸局のGメンが人事院総裁賞を受賞した実績を挙げ「引き続き、荷主への是正指導などを通じて、トラック事業における取引関係の是正化についてしっかりと取り組む」と方針を語った。

▲国土交通省道路局局長の沓掛敏夫氏

続いて登壇した国交省の沓掛敏夫道路局長は、道路行政の観点から業界を支援する姿勢を明確にした。沓掛氏は「皆さんのドライバーが走りやすい道路を作るべく、我々日々努力している」と述べ、東海環状自動車道や西九州自動車道などのネットワーク延伸が進展していることや、サービスエリア、パーキングエリアにおける大型車の駐車マスを2024年度に3万1000マスまで拡充した実績を報告した。さらに、大口・多頻度割引の拡充措置を1年間延長するための予算を確保したことに触れ「トラック運送事業者のさまざまな活躍を道路行政としても支えるべく、しっかり取り組んでいく」と、物流の現場を支えていく考えを述べた。

理事会全体としては、26年度の事業計画や各会計予算案、さらには高所作業の安全確保などを目的とした「飼料部会」の新設などが審議され、いずれも原案通り承認された。質疑応答ではGマーク制度の長期維持事業者に対する「国土交通大臣表彰をしていただけるように進めていただきたい」といった要望も出され、今後の制度のあり方について議論を深めていくことが確認された。

▲理事会の後に開催された懇談会で、各党の幹部とともに登壇して挨拶する、自民党トラック輸送振興議員連盟会長の加藤勝信衆議院議員

閉会後は会場を移し、全日本トラック事業政治連盟・政策懇談会が開催された。懇談会冒頭に、自由民主党のトラック輸送振興議員連盟(トラック議連)会長を務める加藤勝信衆議院議員が各党の幹部とともに登壇。加藤氏は物流を「国の動脈」と位置づけ、運輸事業振興助成交付金の制度化・法制化について「今年度内に成立をさせるという強い思いで、超党派で取り組んでいる」と述べた。さらに、先の法改正で実現した「坂本新法」に実効性を持たせ、事業者の将来を保障する仕組み作りを加速させる決意を強調した。

▲財務大臣兼金融担当大臣でトラック議連副会長の片山さつき衆議院議員

遅れて会場入りした、財務大臣兼金融担当大臣の自由民主党、片山さつき参議院議員は、122兆3000億円規模の予算執行や軽減税率、燃料価格高騰への対応について言及した。特に産油国との取引リスクや軽油の税負担に触れ、「トラック運送業をいかにして守るかということが議論の俎上に上がっている」と危機感を示しつつ、各種優遇措置のパッケージを積極的に活用して業界を支援していく方針を示した。(土屋 悟)

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