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異例の強い指摘、関東西部運輸に事業停止命令下る

2018年7月18日 (水)

行政・団体関東運輸局は18日、長距離輸送を中心とする関東西部運輸(千葉県野田市)に対し、貨物自動車運送事業法違反が確認されたとして、30日間の事業停止と延べ50日間の車両使用停止を命じた。同運輸局は「著しい乗務時間の順守違反」などと、異例の強い表現で同社の違反行為を指摘した。

事業停止処分を受けたことに対し、親会社の西部運輸(広島県福山市)は「処分結果を真摯に受け止め、再発防止に全力を挙げたい。(事業停止処分を受けるという)重大な事態に至った以上、事業縮小はやむを得ない」とコメントし、早期に関東西部運輸をはじめとするグループ再建計画に着手したい考えを示した。

監査は、千葉労働局から「1か月の労働時間が改善基準告示の限度を大幅に超えているトラックの運転者が認められた」との通報を受けたのが端緒で、千葉運輸支局は2017年11月29日と12月27日の2回にわたって立入検査を実施。

この結果、(1)乗務時間(2)点呼の実施義務(3)運行指示書の作成義務(4)運転者に対する指導監督――の4項目で貨物自動車運送事業法に違反していると認定され、今回の監査に伴う本社営業所の違反点数が35点に達したことから、30日間の事業停止と延べ50日間の車両使用停止となった。同運輸局管内での累積違反点数は37点。

処分対象の本社営業所には277台ものトラックが所属しており、一つの事業所でこれほどの大きな規模で運送事業を営みながら、昨年は長時間労働が改善されていないなどとして、5月と11月の2度にわたって書類送検され、今回の監査のきっかけとなった。

事業停止という重い処分に至ったのは、千葉運輸支局による監査でも乗務時間基準に“著しく反していた”のが主因だ。乗務時間順守違反を中心とする行政処分で30日間の事業停止という厳罰に至る例は珍しく、国土交通省の関係者は違法状態を長期間にわたって改善できない同社の事業姿勢に、驚きを隠せない様子だった。