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ワタミ、SCM基盤再構築へインフォアのクラウドERP

2018年7月18日 (水)

荷主インフォアジャパン(東京都千代田区)は18日、ワタミが海外も含むワタミグループを統括するサプライチェーン管理プラットフォームとして、インフォアの食品・飲料業界に特化したクラウドERP「Infor CloudSuite Food&Beverage」を採用したと発表した。

ワタミは、有機農業、畜産・酪農事業の1次産業、製造・加工の2次産業、流通・販売の3次産業を一貫してワタミグループで運営・管理する独自の6次産業モデルの確立に注力している。このために取りり組んでいるのが、収益体制の強化を図る「MD(マーチャンダイジング)改革」で、使用食材の共有化や原材料規格や出荷規格の見直しなど、短期的な業務の効率化と中期的な生産・物流・店舗体制の見直しを進めており、その改革の中核に「サプライチェーン管理(SCM)プラットフォームの再構築」としている。

ワタミの従来のSCMシステムは、業務の拡大に伴いカスタマイズしてきたため、MD改革のためのビジネス戦略の変更にも柔軟に対応できていなかった。

Infor CloudSuite Food & Beverageは、食品・飲料業界企業向けのクラウドERPスイート。アマゾンウェブサービス上で展開し、IT初期投資を大幅に削減できるサブスクリプションモデルで提供している。グローバル企業に必要なマルチサイト機能や、製品レシピ管理、プロセス型生産管理、倉庫管理、トレーサビリティへの対応、品質コンプライアンスまで食品・飲料業界に必要となる機能をあらかじめ備えている。

ワタミは、MD改革の要件として挙げていた、海外生産拠点の管理に必要なマルチサイト機能や、精度の高い生産計画立案を支援する機能、部品表などの業界特化の機能が、カスタマイズなく利用できる点や、クラウドによる柔軟性や拡張性により絶えず変化するビジネス戦略に対応できる点を決め手に、同製品の導入を決定した。

ワタミは今後、同製品と製造実行管理ツール「Infor Factory Track」で、グループを統括する生産管理を中心としたSCMプラットフォームを構築する。SCMの効率化と経営戦略の迅速化を後押しするインフォアのSCMプラットフォームにより、6次産業モデル促進のためのMD改革を実現する。

現在、Infor CloudSuite Food & Beverageへの移行を進めており、2019年後半に本格稼働を開始し、順次各拠点や工場のシステム統合を進める。