調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は5日、2025年(1月-12月)に発生した「円安」関連倒産の動向を発表した。倒産件数は65件となり、前年から18件減少したものの、22年以降の円安局面では前年に次ぐ高水準だった。
負債総額は1088億2900万円で、前年の344億1900万円に比べ3.1倍に拡大した。件数が減少する一方、負債総額が大きく膨らんだ背景には、大型倒産の発生がある。25年は負債50億円以上の倒産が3件発生し、前年のゼロ件から増加した。主な事例として、洋紙製造の丸住製紙(愛媛県、2月、民事再生、負債590億円)や、スポーツ・カジュアル靴販売のロイヤル(愛知県、5月、民事再生、負債83億3000万円)が含まれる。
業種別では、卸売業が28件で最多となり、次いで小売業が11件、製造業が10件だった。農・林・漁・鉱業および金融・保険業を除く幅広い業種で円安の影響が表面化した。為替相場は25年4月に1米ドル139円台まで円高が進んだものの、12月末には155円台まで円安が進行し、輸入コストの不安定さが続いた。
円安による輸入原材料やエネルギー価格の上昇は、物流コストや在庫調達コストを押し上げ、特に中小事業者の収益を圧迫している。物流分野では、輸送費や保管費の上昇が取引条件に反映しにくい構造もあり、為替変動リスクが経営に直結しやすい。今回の集計は、サプライチェーン全体でのコスト管理や価格転嫁の在り方を見直す必要性を示すもので、物流網の安定運営と事業継続性の確保に寄与する示唆を含む結果といえる。
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