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荷主の協力あれば手待ち4時間短縮も、東北実証実験

2018年7月19日 (木)

話題東北6県の労働局と東北運輸局は19日、6県それぞれで地元トラック協会と共同で発着荷主の協力を得てトラック運転手の労働時間短縮を図るパイロット事業に取り組んだ結果、最大4時間の手待ち時間短縮を確認したと発表した。

最も大きな短縮幅を記録したのは、宮城県で取り組んだ食料品の積み込みから荷下ろし完了までの輸送業務。手荷役のため、荷積み・荷降ろしに時間を要し、運転手の肉体的負担となっていた。荷積みの順番待ちで待機時間が発生していたほか、荷降ろし時もバース数が限られているため、荷降ろし待ちが発生し、帰り荷の発注依頼が遅いことも手待ち時間となっていた。

実証実験では、発荷主の食品加工メーカー、元請運送会社、実運送会社、着荷主が協力し、(1)パレット輸送による荷役時間短縮と運転手の負担軽減(2)集荷時間の事前連絡と積込み時間の厳守(3)着荷主の空きバースの利用と荷降ろし時間の前倒し(4)帰り荷の早めの発注依頼による手待ち時間の短縮ーーに取り組んだ。

実験の結果、 帰り荷の発注依頼が早まったことで、荷積み手待ち時間が最大3時間20分、積み込み時間の厳守を意識したことで、行き荷積み手待ち時間が最大4時間40分、パレット輸送による荷役の効率化により行き荷の荷積み時間が最大1時間18分、荷降ろし時間が最大1時間11分、それぞれ短縮できた。

▲宮城県の実証結果

実験を通じ、手待ち時間は平均で3-4時間、荷役は平均で1時間程度短縮できることを確認した。

宮城県以外の5件で行われた、農産物、食料品、ゴム製品などさまざまな積荷の実験でも大幅な時間短縮を確認しており、発着荷主・運送会社の協力体制によって手待ち時間や拘束時間の短縮が可能であることを示す結果となった。