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7-9月の物流施設市場、都心で不足感強く

2018年7月31日 (火)

調査・データCBREは7月31日、全国の物流施設市場動向(2018年第2四半期)を発表した。首都圏の大型マルチテナント型物流施設の新規供給6万6000坪と前期から大幅に減少した一方、新規需要は10万6000坪となり、特に配送に便利な都心のエリアでは物件の不足感が強くなっている。

空室率は5.3%で前期から1.6ポイント低下。前期竣工した物件の空室消化が順調に進んだことに加え、今期の新築4物件が全て満床で竣工したことが、空室率を押し下げた。

新規供給は6万6000坪と前期の20万2000坪から大幅に減少した一方、新規需要は10万6000坪で、2004年の調査開始以来過去3番目の大きさとなった。需要の強さを背景に、首都圏全体の実質賃料は前期から1%上昇し4120円(1坪あたり)となった。

今後の首都圏の新規供給は、第3四半期(7-9月)に11万2000坪、第4四半期(10-12月)に8万9000坪が予定されている。CBREは、「過去3年間の四半期ベースの平均値8万5000坪を上回るものの、今期の旺盛な需要に鑑みると2018年末までの空室率はおおむね横ばいで推移する」とみている。

特に、配送に便利な都心のエリアでは物件の不足感が強く、東京ベイエリアでは、2018年に予定されている唯一の新築物件(7-9月竣工予定)はすでに満床となっている。外環道エリアでは、空室を抱える物件は1棟を残すのみで、2019年までは新規竣工の予定もない。

近畿圏の空室率は17.5%と、前期21.2%から大きく低下。神戸市内陸部で前期竣工した物件が満床に近づき、内陸部で空室を抱えた物件は近畿圏全体でも他に1棟を残すのみとなった。一方、湾岸部でも空室が消化され、昨年竣工した堺市の物件では満室稼働となった。

中部圏の空室率は、前期10.6%から8.6%に低下。昨年竣工した物件はすべて満床になった。物件の不足感が強いことから、「来年以降に竣工予定の物件でも急速にテナントの引き合いが具体化している」という。近畿圏の実質賃料は前期から横ばいの3480円、中部圏では0.3%上昇の3540円。