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ゼブラ・テクノロジーズ調べ

有力物流企業、39%が「10年以内に2時間配送」

2018年9月20日 (木)

話題世界の小売、物流、メーカーの幹部2700人を対象に行われた調査で、39%が「2028年までに2時間以内の即時配達を実施する」と回答していることがわかった。物流会社に限定すると、8割近くが実施を想定していた。

調査はゼブラ・テクノロジーズがECの普及を受けて即時配送ニーズが高まっているとして、2017年に米国、欧州、中国など16か国でオムニチャネルへの対応の実態、スピード配送や再配達への課題意識、オムニチャネルに対応した店舗改革の方向性などを質問し、集計結果をまとめたもの。

調査結果によると、オムニチャネルに対応する業務運用については、回答者の3分の1が「取り寄せ注文の削減が最大の課題」だと指摘。在庫の割り当てや運送費を課題とみる意見も多かった。

また、オンライン注文に店頭在庫で対応していると回答した小売業者は76%にのぼり、オンラインで注文した商品を店頭で受け取る「クリック&コレクト」が主流な配送方法になるとの回答は86%に達した。

(以下画像の出所:ゼブラ・テクノロジーズ)

この結果に対し、ゼブラ・テクノロジーズは「小売業者はオンラインショッピングの発送センターとしての機能充実を図るべく、店舗のフルフィルメントセンター化に投資している。店舗内に商品の受け渡しや返品対応のスペースを確保するため、販売スペースは縮小傾向にある」と分析する。

さらに、物流会社の78%が「10年以内に当日配送を提供するだろう」と回答。商品の返品については「受け取りや管理が課題だ」とする回答が全世界で87%を占めた。送料無料、当日・即日配達が普及したことにより、返品数は増加し続けていることから、「オムニチャネルに対応した複雑な購買モデルが存在する中で業務の効率化を図る必要があるため、コスト上の懸念が表面化している」(ゼブラ・テクノロジーズ)という。

こうした流れの中、企業幹部の10人中7人が「より多くの小売業者が店舗を発送センターとして活用し、返品を受け付けるようになる」との見通しを示していて、現時点で送料無料や返品無料、即日配送に対応していない小売業者のうち、過半数がこれらのサービスの提供を予定し、さらにこのうち44%が「返品業務を他社に委託することを検討している」と回答した。

物流オペレーションで用いられるツールとして、バーコードを導入している企業は72%に達する一方、「いまだにペンと紙による手作業による非効率的なワークフローで物流を支えている企業が55%も存在」(ゼブラ・テクノロジーズ)しているが、オムニチャネル化を実現するため、「21年までにバーコードスキャナを備えた携帯型モバイルコンピューターを導入する」との回答は94%を占めた。

このほか、企業幹部の39%は「現状を打破する革新的なテクノロジー」としてドローンを挙げた。ドローン以外では「無人・自律運転車」38%、「ウェアラブル・モバイル技術」が37%、「ロボティクス」が37%と続いた。

ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパンの池田一樹社長は「今回の調査により、迅速な配送や多な購買モデルなどオムニチャネルを取り巻く消費者のニーズに対して、企業がテクノロジー活用、店舗のフルフィルメントセンター化、業者間の連携など、対策を進行、検討していることが明らかになった。日本では、eコマース台頭にともない物流量が急速に増加している一方で、少子高齢化により限られたリソースで供給を成り立たせることが課題となっている。当社は、RFIDなどテクノロジーによって現場の生産性向上、見える化を支援することで、日本企業の競争力と従業員の労働生産性向上に貢献する」と話した。