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物流全体のコスト増耐えきれず「厳しい判断」

値下げから1年、旧らでぃっしゅが送料値上げ

2018年10月1日 (月)

話題10月1日付で「らでぃっしゅぼーや」と経営統合したオイシックス・ラ・大地は同日、運送業界で人手不足や運賃の上昇が続いていることを受け、「らでぃっしゅぼーや」ブランドで提供している「専用車両による配送料金」を見直すと発表した。

全国的に輸配送コストが上昇する中、旧らでぃっしゅぼーやは昨年8月25日に「社会の動きと逆行」する格好で配送料金の大幅な値下げを断行し、独自の物流施策が注目されたが、輸配送コストの上昇に耐えきれず「値上げ」を余儀なくされた格好だ。

ただ、今回の見直しは宅配料金ではなく、「専用車両による配送料金」が対象となっている点に注意したい。見直しは注文金額3000円未満(税別)の通常配送料とベビー特典配送料で、注文額が3000円未満の送料がこれまでの280円から380円へ100円アップ。

また、送料が無料となっていたベビー特典配送料は、注文額が3000円未満の場合に380円(ぱれっと・セレクトサービスの配達がない場合は600円)かかるようになり、長期利用者向けに安く抑えていた「特別配送料」はサービスは終了する。注文額が5000円以上の場合は、これまで通り無料で提供する。

値上げを決めた理由について、旧らでぃっしゅぼーやの広報担当者は「出荷拠点から顧客宅への配送料金だけなら、現行の配送料体系を維持できたかもしれないが、調達物流コストやセンター運営コストなど、宅配だけにとどまらない物流全体のコスト上昇が大きく、今後もこの傾向が続く見通しだと判断し、残念だが厳しい判断をした」と説明する。

今回の値上げに際しては、「できる限り利用者に迷惑のかからないよう試算を重ね、ギリギリと思われるラインで改定額を決めた」としていて、特に1回の購入金額が3000円未満と比較的少額で、輸配送コストの占める割合が高くなるケースがターゲットとなったようだ。

送料を抑えることで、他社との差別化を図ってきた面もあるだけに、送料アップによる競争力への影響も懸念されるが、購入金額5000円以上で配送料を無料にするラインは死守したいとしており、この金額設定であれば競合他社との比較優位を維持できると判断したものとみられる。