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東洋ゴム、除雪トラック用新タイヤがグッドデザイン賞

2018年10月5日 (金)

▲グッドデザイン賞を受賞した「M925」

認証・表彰東洋ゴム工業は5日、除雪トラック専用スノータイヤ「M925」(エムキュウニーゴ)が、2018年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。

冬場の高速道路の除雪作業は、従来の大型建機を用いた低速での除雪作業から、近年は除雪トラック前部に取り付けた「プラウ」と呼ばれるブレードを用いて路肩方向に寄せる、高速除雪作業が主流となっている。除雪トラックの多くは、凍結路でのアイス性能を重視した、一般的なトラック・バス用スタッドレスタイヤを使用しているが、それらのタイヤのパターンデザインは、タイヤが地面と接するトレッド部分に数多くの小型のブロックが配置されたものになっている。

接地面内の雪を後方に蹴り出すことから得られる駆動力には限界があり、雪の大きな抵抗を受けて車両を直進させることが難しい「高速道路での作業」には、熟練したドライバーの高いスキルが必要となり、また、一般的なトラック・バス用スタッドレスタイヤを用いる場合は、パターンデザインが接地面中心線を基準にした点対称で構成されているため、タイヤ溝内の排雪効果などに課題があった。

同社は、多くの高速除雪トラックが一般的なトラック用スタッドレスタイヤを装着していることに注目し、ドライバーの負担を小さくしながら作業に寄与する除雪車専用スノータイヤを開発。新商品のM925は、これらの課題を解決するため、異形V字状の太い溝を主体とした専用のデザインを採用しており、高い駆動性とその性能低下を防止する設計よって氷雪路面でも強い駆動力を実現した。

グッドデザイン賞では「除雪車専用タイヤという発想が新しく、除雪車の使用状況とそのタイヤに求められる条件を検討することによって、独自のトレッドパターンが生み出されている点が、外観ではなく機能から必然的に生み出されたデザインとして評価できる。その一方で、結果的に得られたパターンデザインはその機能をよく表しており、いかにも雪に対してしっかりグリップしそうな印象があり、外観的にも魅力が生まれている。デザイン面での判断が難しい傾向のある商用車用タイヤだけに、目に見える性能を表現した技術は説得力があった」と評価された。