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独物流大手のレイノス、アジアで「顧客中心主義」戦略

2019年1月15日 (火)

ロジスティクスドイツ物流大手のレイノス傘下でアジア太平洋地域をカバーするレイノスアジア・パシフィック社は15日、域内15か国・地域を含む「世界的なタッチポイントの構築に向け、顧客中心のアプローチを強化する」と発表した。2020年末までにアジア域内の取引量、売上高の倍増を目指すなか、より小さな地域内で存在感を増していく施策を講じる。

この方針は、アジア太平洋地域の国内総生産(GDP)が2000年の30.1%から17年の42.6%へと急増し、世界の輸出の3分の1以上を占めるまでになったのを背景に、世界の平均コンテナ利用率が68%(17年)から80%(22年)まで大幅に増加するとの見通しを受けたもので、特に大中華圏、北アジア、東南アジア、南米西海岸で急増するとみられている。

レイノスアジア・パシフィックは昨年8月、オセアニア市場への進出を拡大するためニュージーランドにオフィスを開設したが、今後はさらにアジア域内でのプレゼンスと成長を加速させる計画で、電子商取引やデジタル技術など新たなビジネスチャンスの取り込みにも注力するという。

日本では、港湾物流に強い三協と合弁会社「三協レイノス」を運営し、世界のほかの地域と同等の物流サービスを提供、ニーズの多様化に対応した事業展開を加速している。今後は両親会社の協力体制の中で「顧客ニーズと物流動向に重点を置き、市場シェアを拡大して多くの拠点を開設していく」との方針を打ち出している。

同社の極東アジア担当CEOを務めるジャン・ハーニッシュ氏は「当社のアジア域内での取引量は、過去3年間に前年比20-30%増で着実に成長しており、20年までに売上高の倍増を目指している。強みである航空・海上輸送に加え、倉庫業、国境を越えたトラック運送や鉄道輸送にも対応している。とりわけ東南アジア、大中華圏での電子商取引ビジネスも当社のサービスを駆使して取り組んでいる」と話している。

レイノスグループは年商48億ユーロ(5980億円)の物流企業で、世界に610拠点を構え、2万9000人の従業員を雇用している。強みとしている事業はコントラクトロジスティクス(3PL)、フレイトロジスティクス、ポートロジスティクスなど。