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京東物流、上海に”5G”スマート物流センター開設へ

2019年3月27日 (水)

話題京東集団(中国・北京)は27日、物流子会社の京東物流が上海市嘉定区に中国初の「5Gスマート物流モデルセンター」を建設し、年内に運営を開始する、と発表した。

5Gスマート物流モデルセンターは、第5世代(5G)ネットワーク通信技術を用いてAI、IoT、自動運転、ロボットなどのスマート物流技術と設備を組み合わせる”スマート物流施設”。

人、機械、車両、設備を連携させて自動運転・自動仕分け・自動検査システム・ヒューマンインターフェースで設備全体を管理し、5G技術を使った「物流応用モデル」を構築する。これらの構想のうち、すでにスマート人員管理システムとスマート車両管理システムは完成し、利用を開始。最終的には、5G技術による自動入庫・出荷の照合、リアルタイムの在庫管理、倉庫とロボットの継ぎ目のない統合、拡張現実(AR)作業、荷物追跡を行うという。

具体的には、全センターの情報監視システムによってセンター内の倉庫・仕分けで部門別の権限をコントロールし、すべての搬送・仕分け・積載用のロボット、倉庫内のフォークリフト、パレット、通い箱(プラスチックダンボール)などの追跡や設備の監視――をコントロールセンターで制御。従業員の管理にも顔認識システムを活用する。

また、全センターでスマート車両による自動運転を採用。5G技術の位置認識技術で自動配送車の進入路線と最適停車位置の自動計算を行う。倉庫内に置かれている商品の体積は自動的に識別し、車両配置の仕組みと連動させて搭載効率を高める。庫内作業者はAR眼鏡を装着し、指示を可視化して作業者の商品識別スピードを高めて作業効率の向上につなげる。

さらに、荷物のリアルタイム追跡だけでなく物流全工程を監視する映像監視システムを用い、顧客が荷物の状況をリアルタイムに照会できるようにする。この仕組みにより、配送が遅延する場合にはあらかじめ顧客に知らせることができるようになる。

京東物流は、5Gスマート物流モデルセンターの開設を機に中国国内の大手5G運営企業と提携し、5G技術の応用を積極化するとともに、「物流全工程で人・設備・データの一体化と物流センター・倉庫・配送車などの物流設備の一体化を実現する」としている。