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日立物流、6月からタイで輸送車両シェアリング

2019年5月29日 (水)

ロジスティクス日立物流と日立製作所は29日、6月からタイで輸送車両のシェアリングサービスを開始する、と発表した。

日立製作所のASEAN地域統括会社と日立物流のタイ子会社が手がける事業として、荷主からの輸送依頼に対応して複数の輸配送事業者の中から最適な車両を手配し、コスト低減や納期短縮を支援する。運用と管理は日立物流タイランド社が担う。

稼働中のトラックやコンテナ車の運行状況、空き車両などの情報を統合的に管理するとともに、日立のAIを活用した「配送最適化サービス」と日立物流の運行管理システムを連携させて配車を最適化。データ解析エンジンを用いて荷主企業から受け付けた輸送依頼の集荷地点に最も近い場所の空車予定情報を検索し、輸送車両の車格や温度管理といった制約条件、スコアリングしたドライバーの評価情報、交通情報などを組み合わせてマッチングすることで、最適なタイミング・条件下の配車を実現する。

これにより、これまで発生していた輸配送完了後の空車回送を有効利用するとともに、集荷・納品拠点が近い異なる荷主企業の輸配送を兼ねる共同輸配送とし、輸送依頼元企業が輸送コストを低減したり、納期を短縮したりといった支援と同時に、輸配送事業者への配車指示を最適化する。

両社は1月から3月にかけ、ユニ・チャームの輸出入コンテナ輸送業務にこのシェアリングサービスを適用して効果を検証。コンテナのラウンドユースを従来の15%から30%まで高めることができたことから、ユニ・チャーム、サイアム・日立エレベーター、日立インダストリアルテクノロジー・タイランドを最初の利用企業として、4月から先行的にサービス提供を開始した。

今後は荷主企業、輸配送業者向けのオープンなサービスとして提供を開始し、段階的にコンテナ輸送からトラック輸送へサービス範囲を拡大する。タイ国内の製造・流通各社や日立グループを含む荷主企業、幅広い輸配送業者にサービスを提供することで、「2023年度までにトラック2万1000台での利用、年間売上80億円」を目指す。