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虚偽判明すれば取り消しも

運送職場環境「良好度」を3段階で認証、国が新制度

2019年6月25日 (火)

話題国土交通省は25日、トラック・バス・タクシー事業者のホワイト経営化を目指す取り組みの柱として、求職者や荷主が取引先を選ぶ際に参考にできる指標として、「運転者職場環境良好度認証制度」を創設すると発表した。自動車運送事業者の職場環境を審査し、一つ星から三つ星の3段階で事業所を認証するもので、今年度中には申請を開始したい考え。

認証制度は最上位の三つ星が業界上位8分の1(12.5%)の以上、二つ星が上位4分の1(25%)以上、一つ星が上位2分の1(50%)以上を認定水準として想定。認証期間は2年間だが、取得しても内部通報などを端緒として調査し、実際の職場環境と異なることが確認されると、認証を取り消されるケースもある。

すべての自動車運送事業者が申請できるわけではなく、「一定期間以上の法令順守状況を踏まえて認証を行うことが適当」という考え方から、運送事業許可の取得後、3年以上経過していることを申請条件とする。また、「労働関係法令などの順守状況が不適切な事業者」が認証を取得できないよう、必須項目を設定。

審査は書類審査を基本とするが、三つ星などの高い段階や、一つ星でも一定割合は対面審査を行う。

運転者職場環境良好度認証制度は、求職者が容易に労働条件や労働環境を確認できるようにすることで、トラック・バス・タクシーの運転者への就職を促すとともに、事業者が認証基準を満たすために改善に取り組むことを通じて、より「ホワイト」な労働環境、労働条件につなげることを見込む。

創設と同時に、国交省の方針に沿って制度の運用を担う「認証実施団体」の公募を7月24日までのスケジュールで開始しており、すでにいくつかの機関が応募している。

国交省の担当者は「3Kともいわれてきた自動車運送事業の職場だが、やるべき事業所はきちんとやっていることを知ってもらうきっかけになれば」と話し、制度の活用が運送事業者の「見える化」や地位向上を促す取り組みになることに期待感を示した。

▲認証項目一覧(クリックで拡大)