財務・人事SGホールディングスは8日、2026年3月期の通期業績予想を上方修正した。売上高を前回予想から240億円増の1兆6530億円、営業利益を同10億円増の920億円、経常利益を20億円増の900億円にそれぞれ引き上げる。最終利益は前回と変わらず570億円に据え置いた。
主な修正要因は、グローバル物流事業で、当初第3四半期からの連結を予定していた台湾のモリソン・エクスプレス(台湾)のクロージングが前倒しで完了し、第2四半期から業績に織り込むことになったため。これにより売上高、営業利益ともに押し上げられた。
一方、ロジスティクス事業では、中国・上海で3PL事業を展開していたRUNBOWの出資持分を譲渡したことに伴い、売上高は下方修正された。ただし、国内では名糖運輸やヒューテックノオリンといった低温物流事業会社、国内3PL事業全般が第1四半期に想定を上回る業績となり、営業利益は全体として上方修正された。
第1四半期の売上高は前年同期比9.8%増の3674億400万円、営業利益が同10.5%減の174億5400万円、最終利益が18.2%減の101億5000万円と増収減益だった。
主力のデリバリー事業セグメントの売上高は2517億700万円(前年同期比1.7%増)、セグメント利益は137億300万円(同23.1%減)だった。取扱個数は主にBtoCの荷物を中心に全体としては減少したものの、BtoBの荷物は回復傾向となった。またことし4月に関西国際空港に国際貨物専用センター「SAGAWAグローバルECセンター関西」を新設したことなどにより越境EC(電子商取引)の取扱いが増加した。
平均単価は取引ごとの適正運賃収受の取組みを継続したことなどにより上昇した。宅配便以外の付加価値を提供するソリューション「TMS」(トランスポーテーション・マネジメント・システム)は前年同期を上回った。利益はパートナー企業への委託単価の引き上げや持続的・安定的なサービス提供のためのリソース確保に係る費用などが圧迫した。
ロジスティクス事業セグメントの売上高は513億7900万円(前年同期比2.5倍)、セグメント利益は19億7400万円(同2.2倍)だった。既存の国内3PLの適正料金の収受や生産性向上により増収増益となった。またC&Fロジホールディングス(現:名糖運輸)の連結効果も貢献した。
グローバル物流事業セグメントの売上高は494億5500万円(前年同期比5.6%減)、セグメント利益は1億3300万円(前年同期は6億9500万円の損失)だった。前年度に獲得した新規顧客の定着などにより、海上輸送は取扱数量が増加した一方で運賃は概ね前年並みとなった。航空輸送は紅海の通航回避による業績への影響が一巡したことなどから、取扱数量・運賃ともに前年をやや下回る水準となったものの安定的に推移した。利益は各海外拠点において物価上昇に応じた賃金水準の見直しを実施した一方で、価格交渉による適正料金の収受や拠点整理などによる効率化の効果等で全体では黒字を確保した。
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