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公道含むL4自動運転実験公開、日通・UD・ホクレン

2019年8月29日 (木)

調査・データUDトラックス、日本通運、ホクレン農業協同組合連合会は29日、特定条件下の完全自動運転(レベル4)技術を用いた大型トラックによる自動運転の実証実験を公開した。

実証実験はホクレン中斜里製糖工場(北海道斜里町)で8月5日から行われているもので、砂糖の原料となるてん菜の運搬業務を想定した走行をレベル4技術の自動運転トラックで再現する。実際の運搬に近い環境を再現するため、国内で初めて「公道を一部含むルート」で試験走行を実施した。

ホクレンは現在、道外に運ばれる年間350万トンの農畜産物の7割を取り扱っているが、輸送力の確保が課題となっている。ホクレンの内田和幸会長は「将来に向けた輸送力確保の新たな手段として自動運転車両の早期実用化に期待している」と述べ、農畜産物の運搬に自動運転トラックを活用していくことに期待感を示した。

UDトラックス、日本通運、ホクレンの3社は7月に交わした合意に基づき、8月5日から30日まで中斜里製糖工場周辺の公道から工場入口を経て、てん菜集積場、加工ライン投入口へ横持ちする運搬ルートで、てん菜の無人運搬を試みている。

UDトラックスの大型トラック「クオン」をベースに開発された車両を使い、「リアルタイムキネマティック全地球測位システム」(RTK-GPS)や3D-LiDAR、ミリ波レーダー、操舵アクチュエーターなどの自動運転技術を駆使。公道、舗装道路、未舗装道路を含むおよそ1.3キロの運搬ルートを時速20キロで自動走行した。

4Gで受信するRTK基地局からの補正信号を使い、GPS衛星から得られる位置情報を補正することで、誤差数センチメートルの精度を確保することができる技術と自動運転技術を組み合わせることで、悪天候や高い建物の近くなどGPS信号の受信状態が悪い場所でも高精度な自動走行が可能となる取り組みも行っている。