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国交省が外国船集中検査、47か国・地域と足並み

2019年9月2日 (月)

ロジスティクス国土交通省は1日、外国船舶に対する集中検査キャンペーンを開始した。9月から3か月間の日程で、アジア・太平洋、欧州・北大西洋の47か国・地域と強調し、主な非常用設備、防火・船体放棄操練を重点的に調べる。

集中検査キャンペーンは、アジア・太平洋地域の20か国・地域のポートステートコントロール(PSC、外国船舶に対する検査)協力体制である「東京MOU」が、欧州・北大西洋地域27か国のPSC協力体制である「パリMOU」と合同でテーマを決め、加盟国・地域が足並みをそろえて集中検査を行うキャンペーンで、今年度はこれまでのPSC検査で欠陥指摘の多かった「非常用システム、手順」をテーマとした。

国交省が行うキャンペーンは9月1日から11月30日まで、全国で「非常用システム、手順」に関する集中的な検査として実施。期間中に行うPSCで非常警報、非常用電源、非常用消火ポンプなどの主要な非常用設備のほか、これら設備の操作や防火・船体放棄繰練などで必要な項目を確認する。

具体的には、(1)海難、海洋汚染を防止するため、非常時に迅速に対応できる適切な非常用設備が備えられ、機能すること(2)外国船舶の乗組員が、非常用システムの手順を十分理解し、非常事態が発生した場合に迅速に行動できるよう非常時の対応に習熟していること――の2項目に重点を置く。

同省では「アジア・太平洋地域と欧州・北大西洋地域という広いエリアで、同時期に同じテーマで集中検査キャンペーンを実施することにより、同エリア内の船舶に対しより安全、海洋汚染防止に対する認識を高めることが期待される」としている。

■過去5年間の集中検査キャンペーンのテーマ
2018年:船舶による大気汚染の防止
2017年:航海の安全
2016年:貨物固定方法
2015年:閉鎖区域立入りのための乗組員の習熟
2014年:STCW条約に基づく乗組員の休息時間