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日本発の低温貨物技術が印・国営鉄道貨物に採用

2019年10月10日 (木)

▲Concorラマ会長兼社長(左)とITEガルグ社長(出所:アイ・ティ・イー)

国際アイ・ティ・イー(東京都千代田区)は10日、インド国営鉄道貨物最大手の「Container Corporation of India」(CONCOR) と「アイスバッテリーシステム」の普及を目的にパートナー契約を締結した、と発表した。CONCORは今後、同システムを活用した低温貨物輸送サービス「アイスバッテリーエクスプレス」をインドで展開していく。

同システムは、「アイスバッテリー」と呼ばれる畜冷材と専用のボックス、カート、コンテナを用いることで、無電源でも一定の温度・湿度を維持する技術で、鉄道、船舶、陸運、航空のあらゆるモードで利用可能。主力商品の「アイスバッテリー20フィートハイブリッドコンテナ」は、コンプレッサーで凍結されたアイスバッテリーを活用することで、無電源で72時間温度を維持する。農産物、乳製品、医薬品など温度管理が求められるさまざまな製品の温度維持を可能にし、医薬品輸送のGDPガイドラインにも適合可能だという。

インドは世界有数の野菜、果物、乳製品の生産国である一方、低温物流が十分に普及していないため、30%以上の作物が流通過程で廃棄され、品質の悪い食料品が市場で供給されている。同システムは大がかりな設備投資が不要で、インフラの弱い新興国でも適用できることから、インドが抱える食品廃棄と食の安全の課題を解決できるものと期待されている。

同システムは、筑波大学が実施した試験で野菜・果物の鮮度保持能力が実証されており、インドのG.B.Pant大学もアイスバッテリーで最大2日間ミルクの鮮度が維持できることを実証。医薬品輸送では、臍帯の血液を全国350病院から回収し検査する環境省のプロジェクトで6年間利用された。また、日本では100社以上に導入され、JR貨物をはじめ、ANA、JR九州新幹線、アルフレッサ、八洲薬品、トラジ、すかいらーくなどでの利用実績がある。

▲(出所:アイ・ティ・イー)