調査・データドローンを使った点検、測量などを手がけるTerra Drone(テラドローン、東京都渋谷区)は20日、ドイツのEVOSハンブルクが運営する同国最大級のタンクターミナルで、ガス・石油貯蔵タンクを含む32基を対象としたドローンによる非破壊検査を実施したと発表した。検査はテラドローンのオランダ子会社を通じ、自社開発のUTドローン「Terra UTドローン」を使って行われた。
EVOSは、欧州5か国に8つのターミナルを展開し、液体バルク製品の貯蔵・物流インフラを手がけており、EVOSハンブルクはハンブルク港に最大級の拠点を構えている。同施設では、バイオ燃料、化学品、船舶用燃料、潤滑油を扱い、地域のエネルギー供給や物流インフラで重要な役割を担っている。しかし、多様なタンクを保有するEVOSハンブルクでは、高い労働コストと時間がかかる従来の人手による点検作業の非効率性が課題となっていた。
テラドローンは、2022年から自社開発のTerra UTドローンを活用し、Evosハンブルクが保有する各種タンクの点検を継続的に実施してきた。
こうしたことから、今回、テラドローンはUTドローンを用いて、目視と超音波による板厚計測を実施した。UTドローンは、タンク内部の損傷や腐食を可視化できる超音波探傷機能を備えており、表面を傷つけることなく高精度に板厚を測定できる。また、超音波の伝播に必要なカプラント(接触触媒ジェル)を飛行中に自動供給すできるディスペンサーも搭載しており、長時間、安定した点検ができる。
EVOSハンブルクが保有するタンクは150基あるが、点検時はタンクの稼働を一時的に停止する必要があるため、今回は全体の5分の1にあたる32基を対象に検査を行った。
同社は今後、多様なタンクの点検に対応できるよう、用途や施設の特性に応じた柔軟な点検方法の開発に取り組んでいく。また、ドイツをはじめとする欧州地域で、産業インフラの点検分野でのドローン技術の高度化と安全性の向上も進め、市場開拓を図る。
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