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センコン・富士ロジテックが資本業務提携で相互補完

2019年12月11日 (水)

M&Aセンコン物流(仙台市青葉区)は11日、同日付で富士ロジテックホールディングス(旧鈴与倉庫、静岡市清水区)と資本業務提携契約を締結し、富士ロジテックHDから2億9651万円の出資を受けることを明らかにした。

▲センコン物流の拠点展開図(出所:センコン物流)

東北を中心に倉庫・運送業を展開するセンコン物流と、関東・中部を中心に西日本でも倉庫・運送業を展開する富士ロジテックHDは、これまでも互いの事業エリアをまたぐ案件で輸送・保管の取り引きを行っており、相互の物流施設見学なども実施していた。今回の提携は、「相互の営業エリア、得意分野、事業拠点、人的資産を補完しながら、両社の関係強化と物流ネットワークの拡大・充実」につながるものと書面で説明。

センコン物流の柴崎敏明常務取締役は、「近年は、3PL事業やレコードマネージメントサービス(機密情報保管)事業など、新しい分野への展開を進めているが、利益率の高い倉庫事業をさらに伸ばしていきたいと考えている。一方の富士ロジテックHDは、倉庫事業の売上げが高い会社で、当社が展開していないエリアの拠点を保有しており、医薬品やアパレルも取り扱っている。両社が提携し、相互補完することで、荷主に対するサービスの拡張・充実につながる」と、提携の理由を話した。

▲富士ロジテックHDの拠点展開図(出所:富士ロジテックHD)

同社は今後、(1)施設、車両、営業情報の共有(2)物流施設の共同開発(3)両社のノウハウを生かした事業領域の拡大(4)人材交流を通じたプロフェッショナルの育成――に取り組むとしており、調達した資金は、物流拠点の整備・改修に2億円、物流機器の購入に9600万円あまりを投資する。手をつける拠点については、これから検討を進めるという。

このほかセンコン物流は、同社取締役1人を富士ロジテックHDの中核子会社である「富士ロジテック」に派遣することとしており、これについて柴崎敏明常務は、「出資側が人を派遣するのが一般的だが、当社役員が富士ロジテックの事業・社内風土を肌で感じることが肝要だと考えている。人材交流の意味でも第一歩となる」と話し、資本業務提携以上の展開については否定した。

今回の資本業務提携により富士ロジテックHDは、センコン物流にとって3番目の大株主となり、日立物流に次ぐ議決権を保有することになる。両社の直近の業績は、富士ロジテックHD(19年8月期決算)が売上高19億4200万円、営業利益3億7900万円、最終利益21億3000万円。センコン物流(19年3月期決算)が売上高164億1500万円、営業利益1億7800万円、最終損益△6億2800万円。センコン物流は、2020年3月期中間決算ではアグリ事業と採石事業の損失計上が減少したことで黒字回復している。