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運輸・郵便、欠員率6%で長時間是正に81%が取組み

2019年12月13日 (金)

話題厚生労働省が12日に発表した11月の労働経済動向調査(四半期ごと実施)によると、運輸・郵便業の「正社員等」過不足判断(DI、11月1日現在)は、不足超過のポイント数が3四半期連続で最も高い結果となり、欠員率は2018年から高止まりしていることが分かった。

この指標は、1年間以上の契約によって雇用されている「正社員等」労働者の過不足を判断するためのもので、2570事業所から回収した調査票をもとに、「不足」と回答した割合から「過剰」の割合を差し引いて算出する。

全産業平均が不足超過37ポイント(8月調査比3ポイント低下)であったのに対し、運輸・郵便業は同54ポイント(1ポイント低下)と、若干回復したものの、依然として高い数値で留まっている。「パートタイム」労働者の過不足判断では、全産業平均28ポイント(1ポイント低下)に対して、運輸・郵便業は31ポイント(1ポイント上昇)だった。

▲運輸・郵便業と全産業平均の欠員率推移(出所:厚生労働省)

求人に関する調査では、過不足判断DIが示した通り、運輸・郵便業の64%が「未充足の求人あり」と回答。常用労働者数に占める未充足求人数の割合を示す「欠員率」は6%と、全産業平均の2.8%を大きく上回り、2018年5月からその差が開いたままとなっている。

これに対し、厚労省は11月調査の特別項目として、「働き方改革の取組」と「事業見直しの実施状況」について設問。運輸・郵便業の81%が「長時間労働の是正に取り組んでいる」と回答し、8%が「改善の必要がない職場環境である」と回答した。具体的な取り組み内容(複数回答可)では、「業務の効率化」「長時間労働抑制に関する数値目標の設定」「勤務間インターバル制度の導入」の選択率が全産業平均を上回る中、「事業の縮小・見直しを行う」を選択した企業も13%存在した。

事業見直しの実施状況については、過去1年間「実施していない」とした事業者が75%と、11ポイント上昇。今後1年間「実施しない予定」とした事業者も69%と、14ポイント上昇し、現状を維持する事業者が増加した。「実施した」「実施する予定」とした事業者は、いずれも「拡大」が「縮小」を上回り、前向きな見直しが多いことが分かった。

売上高に関する調査では、足元の12月までは対前年比「プラス」と回答する事業者が「マイナス」の割合を上回っているが、2020年1月~3月の見込みは、一転して「マイナス」と回答する割合の方が大きくなり、全産業の情勢を反映している。