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「BCMは地域の方舟」第2回(コラム連載)

2020年3月5日 (木)

話題◆「BCMは地域の方舟」第1回-https://www.logi-today.com/369319

第3章-対策や準備のあれこれ

災害対策用の倉庫付帯設備やシステムは日進月歩だ。建屋そのものの耐震や免震性能の向上も相まって、最新式の大型倉庫は大災害時にも大きなダメージを受けることなく、庫内環境の維持と人員の安全確保に秀でた存在として高い評価を得ている。

■ そもそも優れていた

倉庫建屋は構造がシンプルなうえに、屋根をはじめとして躯体が軽量である。また方形で窓が少なく壁量が多いので、耐震性と対候性に秀でている。敷地の空地率も高く、用途地域の制限があるため、火災発生時の延焼リスクが低く、建屋の建材自体に防火・不燃の素材使用が基本とされているため、火元ともなりにくい。内部火災ぐらいしか主たる危険要素はないはずだ。だからこそだが、災害対策の計画と運用ルールを策定しやすい。まさに教科書的な内容で終始を完結できるに違いない。あくまで倉庫単体での試算数値上は、という前提で書いていることも付記しておく。

■ それでも懲りずに

「免・制・耐・防・減」などの字を冠する単語が災害対策に多用されるのはなぜだろう。連戦連敗ながら決して「敗けました」と認めない挑戦者のごとく、自然災害に立ち向かい続ける。しかし、「甚大な被害が出るうえ、その正確な想定は不可能だ」という前提で、諸機能の時限停止と個別行動の制限を設けるほうが現実に即しているのではないか。被災後の情報連携や交通網マヒ時の移動手段確保、物資供給の内容と順序と情報管理者などに力点を置いて考察しておくべきだ。避難所や救援物資は現場需要とのずれが毎度指摘されるが、学習改善を反映した事前準備が奏功したというハナシは耳にしない。

■ 文字にできない理想は無力

個々の災害対策や行動指針の策定は大いに結構なのだが、全体の意識と行動の統一はどこの誰がどのように行っているのだろう?開示されているなら、閲覧方法を知りたい。まさか各自治体のハザードマップと付帯した防災コードを各自確認しておく、が対策の芯というわけではないだろう。公的指針が明示されなければ、地域で業を営む企業は準じる行動方針が決められない。待てずに独自で取り決めや運用を始める企業などもあり、結果としてバラバラで、面どころか線にもならない対策実態となる。精神論が終ったら、具体的な行動指針作成、施設や設備の状況と今後の敷設計画等のロードマップ、定期的な検証会議の開催と内容開示、情報の適宜修正などすぐに取り掛かるべきことは山積しているはずだ。文字や画にできない理想や計画は不要。人命と地域の存続がかかっているのだという使命感の元に施政者は取り組まなければならない。

■ 優遇と使命

災害時には物流倉庫、特に近年建築された大型物件は格好の避難施設として好適だと思われる。民間企業の協力があれば、災害時の対策素材としてカウントできる。もちろん、それなりの優遇が無ければ首肯する企業は少ないだろう。地方税などの減免などがすぐに思い浮かぶが、他にもよい案があれば是非発言していただきたい。

―第3回(3月9日公開予定)に続く

「BCMは地域の方舟」第1回(コラム連載)
https://www.logi-today.com/369319

「BCMは地域の方舟」第2回(コラム連載)
https://www.logi-today.com/369512

「BCMは地域の方舟」第3回(コラム連載)
https://www.logi-today.com/369847