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入国制限が海運にも影響、「乗員交代に支障あり」

2020年3月6日 (金)

ロジスティクス新型コロナウイルス感染拡大による各国の入国・行動制限措置が海運業界にも影響を及ぼしている。取材に対し日本郵船は「乗員の交代に支障が出始めている」と話した。

5日、インドの入国制限措置を念頭に行った取材に対し、同社は「各国で乗員の上陸・移動に制限が生じていることで、船舶においても支障が出始めている。船員の出身国が感染国かつ制限を受ける場合には、交代予定地に新たな乗船者を派遣できず、船員の交代ができないケースが増えてきている」と説明。一部の船舶では、予定していた交代地に新たな乗員が入国できない、または移動の制限がある、といった理由で、乗船中の乗員が船に乗り続けなければならない事態が発生している。

これを受けて、一部の船籍では最長乗船期間を延長する措置をとっており、同社は本来の予定地とは別の寄港地で乗員を交代する措置をとっているという。

また、海外勤務員については「一部の国からの出入国ができなくなっているため、現地に赴任中の勤務員のうち一時帰国を予定していた人の帰国を見合わせている」と現状を話した。

現時点では、乗員の問題による減便や運休は発生していないが、航空旅客便では減便・運休の理由に「需要減退」とともに「乗員のやりくりができない」といった理由もあげており、これによって航空貨物の輸送が追いつかずに臨時貨物便の運航に至っている。また、5日に日本政府が行動制限措置を発表した中国と韓国は、世界の港湾取扱量ランキングで上位10港のうち8港を占めており、今後の影響は避けられないものとみられる。併せて、乗船を続ける船員の衛生管理にも注意を払う必要がありそうだ。