M&Aゼンリンデータコム(東京都港区)とライナロジクス(千葉県市川市)は3日、両社が共同で構築してきた「モビリティプラットフォーム」をよりインパクトのあるサービスに磨き上げるため、1日付で業務資本提携を締結したことを発表した。
「モビリティプラットフォーム」は、購入者の手元に届ける”ラスト1ミニット”の配送サービスにおいて、駐停車可能な位置、営業車両が通行可能な細街路、時間帯による交通状況、車両で入るべきでない歩行ルート――といった地域のベテランドライバーしか知り得ない情報を蓄積して共有する仕組みのことで、両社はこれにゼンリングループの地図資産と位置情報解析技術、ライナロジクスのAI技術などを注入することで、プラットフォームから高度かつ実用的な配送指示を出し、主婦や副業の人でもプロドライバー並みに配送を担えるツールとする。
また、将来的には集積した情報を営業車両や道路整備などのさまざまな分野へ活用を広げ、MaaS時代の高度な輸送サービス全般の実現を目指す。
両社はこれまでにも「ベテランドライバーの高度な経験や知見は、限られた範囲内でしか共有されていない。この事実こそが、単純な運転支援システムや、個々の企業によるデータ収集と解析だけでは職業ドライバー不足を補えない理由だ」として協業を推進。
その過程で、「モビリティプラットフォーム」をよりインパクトのあるサービスに磨き上げるためには、研究・開発レベルから地図データ、アプリケーション、プラットフォームの連携を一層強化する必要があるとの認識で一致したことから、今回の提携に至った。将来的にはグローバルに展開することを見据える。