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運輸・倉庫の景気動向やや回復、底打ったか

2020年6月4日 (木)

調査・データ帝国データバンクが3日に発表した5月の景気動向調査(有効回答1万1979社)によると、運輸・倉庫の景気DIは22.7で前月から0.3ポイント上昇し、6か月ぶりに回復した。

全体の景気DIは前月比0.6ポイント減の25.2で8か月連続の悪化、製造業は13か月連続の悪化となる23.0だった。運輸・倉庫業は依然として低い数値だが、昨年12月から42.6、39.5、34、27.7、22.4と急速に悪化した後に0.3ポイントの上昇となっているため、景況感の悪化は底を打った可能性がある。

ただし、運輸・倉庫業には旅客運輸が含まれているため、物流の景況感として判断するには注意が必要となる。その他の業種で前月から回復しているのは、飲食店、旅館・ホテル、娯楽サービス、教育サービスなど、緊急事態宣言に伴う外出自粛要請が直撃した業種が多く、運輸・倉庫業の景気DIは緊急事態宣言解除に伴う旅客運輸の回復分を織り込んだ数値と見たほうがよさそうだ。

物流が注目する製造・卸売・小売の業界は大半が悪化を示したが、繊維・繊維製品・服飾品の製造と卸売、再生資源卸売、飲食料品小売、家具類小売、家電・情報機器小売――など、「巣ごもり消費」に関連する業種は小幅ながら回復を示している。

先行きについては、緊急事態宣言の解除で一時的に下げ止まるものの、8月ごろから再び落ち込み、低調な推移が続く見通し。

(出所:帝国データバンク)