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スカイドライブ「今後は都市部のドローン配送も目指す」

六甲山ドローン配送実験終了、セイノーなど5社参加

2020年8月7日 (金)

調査・データSkyDrive(スカイドライブ、東京都新宿区)は6日、ドローンを活用した配送サービスの実用化に向け、神戸市の協力を受けながらセイノーホールディングス、神戸阪急、トルビズオン(福岡市中央区)、成ワ薬品(神戸市中央区)の4社と共同で実証実験を行ったと発表した。

▲今回の飛行ルート(出所:スカイドライブ)

六甲山の麓エリアから山上にドローンで物資を輸送し、費用や輸送時間が軽減できるかどうかを探るために日用品の自動運送の実証実験を実施したもので、商品温度管理の調査、一般用医薬品(第2類)の配送、六甲山上空での携帯電話の有効性、土地所有者や近隣住民の理解が得られるかどうか――などを確かめた。

この実験で、スカイドライブは運搬用ドローンの提供と現地でのオペレーションを、セイノーHDが物流業、配送物の温度管理を、神戸阪急が運搬する飲食物(米飯、洋菓子)の提供を、トルビズオンがプロジェクトマネジメント、飛行ルートの地権者調整(空の道設計)を、成ワ薬品が運搬する医薬商品の提供をそれぞれ受け持ち、神戸市は市の所有地の提供と地権者との調整で協力した。

▲カーゴドローン出発時の様子(出所:スカイドライブ)

今後は神戸市やこれらの企業と連携し「山間部の居住者が手軽に小売店の日用品、医薬品、自治体からの必要物資などを居住区で受け取れる配送サービス」の実用化を目指す。

また、スカイドライブは2022年をメドに開始する「ドローンによる有人地帯での目視外飛行」の実現やこれに向けた航空法の改正を見据え、都市部でのドローンを活用した宅配サービスの実用化を目指す。

■実証実験に対するコメント
神戸市の松崎太亮氏(企画調整局つなぐラボスマートシティ担当課長)
「民間事業者が主体となったドローンによる搬送が、物流業界の人手不足の解消や環境問題への対応、ラストワンマイル配送による感染症リスクの低減など、新たな市民サービスやビジネスモデルとして創出されることを期待する」

セイノーホールディングスの加藤徳人氏(オープンイノベーション推進室課長)
「今回の六甲山のように、輸送ハードルが高い、または非効率な地域は日本各地に点在している。こうした地域でドローンなどの新たなテクノロジーを活用したロジテック・イノベーションは、物流事業者の業務の自動化、省人化を図るなど、業務効率化への期待だけはなく、地域社会のさまざまな社会課題を解決し得ると考えている。スカイドライブには、より次元の高い安全・安心のドローン輸送を実現できる機体の開発はもとより、空飛ぶクルマの開発にも大きく期待している」

トルビズオンの増本衛氏(CEO)
「本実証実験では日用品、冷蔵品、医薬品、自治体書類などの『混載型ドローン配送』を達成することができ、満足している。今までの実験結果から、『sora:share』が目指す社会受容性向上のコストを含む事業モデルをペイしながら、持続可能なものとするには、混載可能な機体の導入が必須だと感じていた」