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浪江町で水素サプライチェーンの事業化調査

2020年8月18日 (火)

環境・CSR丸紅、みやぎ生活協同組合、福島県浪江町の3者は17日、浪江町を中心として、再生可能エネルギーから製造する水素、副生水素など複数種の水素を多拠点から調達して家庭や公共施設などに配送し、エネルギーとして活用するサプライチェーンの構築に向け、事業化の可能性を探る調査を開始する、と発表した。今年度中に成果をまとめる。

3者はこれまで、太陽光発電システムで発電した電力で水から水素を生成、富谷市内にあるみやぎ生協組合員の家庭、みやぎ生協店舗、児童クラブに水素エネルギーの供給を行う実証実験を3年にわたって実施してきたが、これらの実証事業で得た成果を活用する。

実証事業では、水素を水素吸蔵合金カセットに貯蔵し、みやぎ生協の既存物流ネットワークを利活用して配達品とともに利用者に輸送、純水素燃料電池に取り付け、水素を取り出して電気や熱に再変換し、エネルギーとして活用した。

この取り組みの結果、「水素サプライチェーンを商業的事業として成立させるためには、事業者が需要家に対して負う安定供給責任を果たすための水素供給のバックアップなどが必要となり複数の供給源の確保が望まれる」として、事前事業化調査では、福島県内の水素源から「純度が異なる水素」を調達すると想定し、IoTを活用したアグリゲータ(水素集積)システムなど、水素サプライチェーンの構築に向けて具体的な事業モデルの評価・検討を行う。

アグリゲータシステムの検討を行う際には、富谷プロジェクトで共同実施者だった日立製作所に外部協力機関として技術サポートを得る。丸紅、みやぎ生協、浪江町は、事前事業化調査の結果を踏まえ、21年度以降の事業化を目指す。

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