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自動車事故調、安全対策の「実効性確保」求める

2020年8月28日 (金)

調査・データ自動車事故調査委員会(自動車事故調)は28日、岐阜県多治見市で2017年8月に大型トラックが工事用車両に衝突した事故の報告書を公表した。

▲衝突した車両

この事故は17年8月30日13時46分頃、大型トラックが高速道路を走行中、道路工事のために駐車していた工事用車両に気付くのが遅れて衝突したもので、事故の衝撃で積み荷の一部が高架下の国道に落下した。

自動車事故調の調査結果では、運転者が事故の30分以上前から、携帯電話での通話に意識が集中し、車線逸脱や道路工事による速度規制、車線規制への注意が疎かなまま、高速度で運転を継続したこと、運転経路を確認するために携帯電話の地図アプリを操作し、前方不注視の状態で運転を継続したことがわかっている。

▲衝突された車両

運転者が所属する事業者の体制については「運転中の携帯電話使用の危険性の教育は行われていたが、結果として徹底が不十分」と対策の甘さを指「運行開始後に電話で始業点呼を行うなど対面による点呼が行われず、運行の安全を確保するために必要な確認や指示が適切に行われていない場合があるなど、運行管理の実施体制が一部不適切」だとした。

事業者が取るべき再発防止策としては、「運行管理者に対し、運転者に対する指導教育が形式的なものにならないよう、常に運転者の習得の程度を把握しながら進めるよう指導」することを求めたほか、運転者に対する点呼や必要な指示などが確実に実施できるよう、運行管理の実施体制を整え、実効性を確保することの重要性を示した。

▲衝突直前の状況(出所:事故調査委員会)