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14年大型トレーラ追突事故、会社側の体制不備指摘

2020年8月28日 (金)

調査・データ自動車事故調査委員会(自動車事故調)は28日、石川県かほく市で2014年7月に発生した大型トレーラによる追突事故の報告書を公表した。

▲追突したトレーラー

この事故は14年7月2日10時31分頃、大型トラクタ・セミトレーラが前方を十分注視せず、進路の安全確認不十分のまま、車線境界線塗り替え作業に従事していた道路維持作業用自動車(普通トラック)に追突したもの。

この事故について、自動車事故調は運転者と事業者の両方の立場から、事故の背景を探った。運転者については「前方を注視せず、安全確認不十分のまま漫然と進行したため、普通トラックに気付くのが遅れ、とっさにブレーキを踏んだが間に合わず追突した」と指摘。

▲追突された車両

事業者に対しては「夜間から早朝にかけて出庫または帰庫する運転者に対して点呼を実施しておらず、酒気帯びの有無、疾病・疲労の確認など、安全運行に必要な事項の確認や運転者に対する指示が不十分。1日の拘束時間や連続運転時間の超過、休息期間の不足など改善基準告示違反が多数確認された」として、事業者側の体制に多くの問題があったとの見方を示した。

▲事故発生状況(出所:事故調査委員会)

また、この事故から得られる教訓(再発防止策)として、事業者に対し「運行管理者が不在となるなど不適切な運行管理体制を是正」することを提言。運行管理者に対し、点呼を確実に実施し、運転者の疲労や健康管理などを確認するとともに、安全運行のために必要な指示を行うよう指導することや、運転者の勤務状況・拘束時間を把握し、適正な乗務管理を行うよう指導することを求めた。