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フルカイテンがトラック運送の現状考察レポート

トラック運賃上昇が小売・ECにモデル変革迫る

2020年9月3日 (木)

調査・データフルカイテン(大阪市福島区)は3日、トラック運送の現状を考察するレポートを公開した。このなかで同社は「今後も宅配・トラック運賃の上昇が続く」との見通しを示し、小売業、とりわけネット通販事業者は「さらなる運賃値上げを念頭に、利益体質の強化へビジネスモデルの変革が求められる」と提言している。

同社が発表したレポートの概要によると、宅配便の年間取扱個数がここ15年で14億個増え、2018年度に43億個を超えたたが、EC市場が拡大基調にあることから、「今後も取扱個数は増加が続く」と予測。

一方、トラックの輸送効率は19年までの20年間で22%低下し、運送会社のコスト上昇や消費税率の引き上げに伴い宅配便運賃が34%、一般貨物が4.2%上昇した、と言及しつつ、ドライバーの高齢化や全産業平均より「およそ2割低い」という低賃金が人手不足に拍車をかけているとの見方を示した。

こうした業界の現状を踏まえ、同社は「必ず到来するドライバー不足の解決には労働生産性の向上が欠かせない」とした上で、その手段として「運賃引き上げあるいはサービス水準の引き下げが必要」だと強調。小売企業やEC事業者に対し、こうした動きを念頭に入れて対策を講じる必要があると結論付けている。