アマガサとクルーズ、委託した物流の移管めぐり対立

国内「ジェリービーンズ」などのシューズブランドを手がけるアマガサと、EC支援サービスを中心に物流受託も請け負っているクルーズの間で、物流アウトソーシングをめぐる争いが発生し、訴訟合戦に発展しそうな勢いとなっている。

物流業務を委託していたアマガサは、クルーズグループの物流拠点「相模原SHOPLIST（ショップリスト）物流センター」（相模原市中央区）に保管されていた同社商品のシューズ5万足について、「6月下旬以降、出荷を拒否」されたとして、8月4日に即時引き渡しを求める動産引渡仮処分命令を東京地裁で申し立て、いったん和解が成立。

8月26日までに商品の引き渡しを受けたが、「春夏物の出荷時期を逸してしまった」として、9月3日に9400万円の損害賠償請求訴訟を起こした。

アマガサによる9月3日の発表を受け、クルーズは4日「出荷を拒否する旨の記載があったが、そのような事実はない」と、アマガサの主張を否定。

対立に至った発端として、アマガサから「全機材、全商品を他社に移管したい」との申し出を受けたと明かしたうえで、「一方的な申し出は契約違反になり得る」との判断から、クルーズは「正常な取引を継続したい」「契約に基づく出荷には当然に応じる」「損害を与える考えはまったくない」との内容をアマガサに「再三にわたり」伝えたものの、アマガサが話しあいに応じず「商品を強行移管させる仮処分の訴訟手続を取った」と経緯を説明した。

クルーズでは、アマガサの契約違反と「過去の通常取引に基づく未回収金額」として4.5億円を請求し、この件で訴訟の準備に入っていることを明らかにしたほか、名誉毀損や業務妨害、不当訴訟などを理由に損害賠償訴訟を「視野に入れ」ているという。

アマガサ｢契約違反ない｣、クルーズの主張に反発