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重量物輸送の老舗・阿知波組が破産、負債26億円

2020年9月9日 (水)

ロジスティクス大阪市港区に本社を構える重量物輸送の老舗運送会社「阿知波組」が、大阪地裁で8月25日に破産手続き開始決定を受けたことがわかった。最盛期には21億7000万円を売り上げたが、公共工事の減少や同業者間の競争で受注単価が下がり、ことし8月7日に自己破産を申請していた。帝国データバンクの調べによると、負債は26億円。

同社は1923年に馬力運送業者として創業。54年にトラック運送業へ転換し、同年11月に法人改組し、自動車、鉄道車両、重機械など重量物の運送事業を手がけたほか、クレーン工事を中心とした土工工事も展開していた。

業界内で重量物運送会社としての知名度は高く、阪神・淡路大震災以降は復興工事需要を取り込み、96年5月期に売上高21億7000万円を計上したが、国内景気の低迷、公共工事の減少で受注が落ち込み、同業者との競争激化で受注単価も厳しくなって、2006年5月期には売上高7億6900万円までダウン、大幅な欠損計上に伴い、債務超過に転落していた。

運搬車両などの設備投資や不動産購入で有利子負債が大きく膨れ上がり、資金繰りは悪化。一時は金融機関への返済に支障を来すなど信用不安が高まり、07年5月に関係会社へ事業を移し、事業を停止していたという。なお、事業の移管先となったアチハ(大阪市住之江区)は、重量物輸送を中心とした主力事業を継続している。