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ソフトバンク、日通と求荷求車システムに挑戦

2020年10月15日 (木)

(イメージ画像)

M&A日本通運は15日、物流業界のデジタルトランスフォーション(DX)を支援する新会社「MeeTruck」(ミートラック、東京都港区)をソフトバンクと共同で設立し、同社がきょうから物流事業者向けの配車支援サービスを開始、2021年度中に求荷求車システムを提供すると発表した。

新会社の1つ目のサービスとなる配車支援サービスは、受注した運送業務の案件登録やトラックの割り当て、勤務計画表の作成などをウェブ上で行い、クラウド機能を用いてこれらのデータを一元管理するというもの。今後は受発注や実績管理などの機能を拡充するという。

21年度中に提供する2つ目は、貨物を探す運送会社とトラックを探す荷主会社をマッチングするサービスで、物流業界内で「求荷求車システム」と呼ばれるもの。配車支援サービスで得た知見やデータをもとに、「AI(人工知能)などの先端テクノロジーを活用して、サービス利用者のニーズや傾向に応じた、より高品質なマッチングの実現を目指す」としている。

両社はことし2月に、第5世代移動通信システム「5G」を活用した「スマート物流」の実証実験で協力。ソフトバンクは、求荷求車システムを提供するCBcloud(CBクラウド、東京都千代田区)とネットスーパーの配送マッチングで19年6月に協力し、同年8月に出資、同年9月に業務提携するなど、ラストワンマイル領域や物流DXに注力している。

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今回両社が設立した合弁会社の株式は、ソフトバンクが51%、日本通運が49%を保有する形になっており、この出資比率からも物流業界のDXに参入したいソフトバンクと、それに協力して求荷求車に挑戦する日本通運の構図が浮かび上がる。ソフトバンクは、既に多くのシステムやサービスが存在する配車支援と求荷求車の領域に参入することになるが、初めから日本通運の巨大ネットワークを想定顧客とできる点が強みともいえるし、保険ともいえるだろう。場合によっては業務提携先のCBクラウドと競合あるいは協力することも考えられる。

「今後既存のサービスとどのように差別化するのか」との問いに対し、日本通運は、「既存の配車支援サービスには、いまだにファクスや電話、手書きの書類が求められるものもある。月額1万5000円という低価格で、加入月と3か月無料、5か月目以降も半額といったキャンペーンを打ち、パソコンとインターネットさえあれば導入できる簡単さや、現場のノウハウを反映した操作性の高さを多くの事業者に実感してもらう」と回答し、低価格・導入の簡単さ・操作性の高さをもって、既存サービスと差別化することを明らかにした。

求荷求車システムについては、「設計段階にある」とし、その詳細を明かしていない。合弁会社の出資比率については、「今回の取り組みはDXの推進が肝となることから、ソフトバンクが過半数を保有する形になっている」と説明した。

▲サービスの画面イメージ

ソフトバンクとCBクラウドが業務提携

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