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モーダルシフト大賞にF-LINEの食品輸送「複々線化」

2020年10月30日 (金)

認証・表彰日本物流団体連合会は10月30日、ことしで7回目となる「モーダルシフト取組み優良事業者」の受賞者を公表し、大賞に、F-LINE(Fライン、東京都中央区)南関東支店マルチモーダルサービスセンターの「食品の海上・鉄道輸送へのモーダルシフト」が選ばれたことを発表した。

Fラインは、味の素、ハウス食品グループ本社、カゴメ、日清フーズ、日清オイリオグループのメーカー5社が物流子会社を統合して設立した会社。大賞に選ばれた南関東支店マルチモーダルサービスセンターは、メーカー各社からリードタイムが1日伸びることへの了承を取り付け、トラック輸送から海上・鉄道輸送に転換する3件のモーダルシフトを実現した。

この取り組みでは、自然災害の発生に備え、トラック・鉄道・船舶など、複数の輸送モードを併用して「複々線化」し、災害時にも柔軟に対応できる商品供給体制を構築していることや、環境負荷低減に向けた模範的な取り組みであることなどが評価された。

部門賞の概要は次の通り。

■実行部門(4件)
受賞者:フェリックス物流、三八五通運、日本石油輸送、センコー
概要:幹線区間の貨物総輸送量のうち、鉄道・海運の利用比率が40%を超えた

■改善部門(3件)
受賞者:住鉱物流
概要:拠点間の幹線輸送で、海運の割合を83.8%から85%に引き上げた

受賞者:日本通運
概要:拠点間の幹線輸送で、海運・鉄道の割合を51.9%から53.3%に引き上げた

受賞者:山九
概要:拠点間の幹線輸送で、海運・鉄道の割合を47.1%から51.9%に引き上げた

■有効活用部門(7件)
受賞者:住鉱物流
概要:電気ニッケルなどの輸送で、愛媛県から全国への輸送をトラックから海上に切り替え、年間で370台分のトラック輸送を削減し、ドライバーの負担を軽減した

受賞者:日本通運
概要:トレーラーによる広島県から千葉県への鉄鋼製品輸送を海上輸送に切り替え、モーダルシフトに向けてトレーラーの改造や新しい転送架台作成に取り組んだ

受賞者:日立物流
概要:トラックによる神奈川県から全国への食品輸送を鉄道輸送に切り替え、ドライバーの運転時間を年間4000時間以上削減した

受賞者:王子物流
概要:トラックによる愛知県から関東への紙製品輸送を海上輸送に切り替え、ドライバーの運転時間を年間5000時間ほど削減した

受賞者:三八五通運
概要:トラックによる岩手県から兵庫県への化粧品原料水輸送を鉄道輸送に切り替え、2016年から当初使用していた液体専用IBCコンテナやドラム缶ではなく、フレキシタンクを利用した液体輸送の検証を行った

受賞者:バンテック
概要:トラックによる神奈川県から福岡県への自動車部品輸送を海上輸送に切り替えるとともに、船舶輸送拠点に貨物混載センターを設け、一定の積載率未満の貨物に対して混載輸送を提案する仕組みを構築した

受賞者:センコー
概要:トラックによる関西-九州間の食品・樹脂・ソーラーパネル輸送を海上輸送に切り替えるとともに、両地区の集約拠点(ハブ)に荷物を集約する体制を構築、船便欠航時に中間地点の東広島でトレーラーが折り返す「ドッキング輸送体制」を構築した

■新規開拓部門(2件)
受賞者:日陸
概要:トラックによる山口県から茨城県への化学製品輸送を鉄道に切り替え、ドライバーの日帰り輸配送を可能とした

受賞者:濃飛倉庫運輸
概要:プラスチック成型品や化合織、特積み貨物など、3件のトラック輸送を鉄道輸送に切り替えた