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かしこいはたらきものが続々と登場/解説

2020年12月16日 (水)

話題コーナン商事に代表されるホームセンターや総合スーパーのかつての物流現場をご存じなら、MUJINをはじめとするロボットたちの動きは驚異的であり、ただただ無言で見入ってしまうだろう。(企画編集委員・永田利紀)

荷姿別、荷下ろしや仕分け、ピッキングなどのいくつかのパターン別に用意されたサンプル動画は、アナログ現場のミスとの闘いにひとつの答を出しているように見える。

コーナン商事、MUJINと共同で混載デパレロボ導入(20年12月15日掲載)
https://www.logi-today.com/412099

▲コーナン商事に導入された混載デパレタイズロボット(出所:MUJIN)

まだ部分的、諸条件の設定などが必要であるにしても、隔世の感を禁じえない光景が展開していることは現実だ。荷姿を測定・把握して「最適なつかみかた」「向きと並び順を整理しながらの積み下ろし」などを一定のペースでこなしてゆくロボットアーム。高所でも狭所でも適応した移動動線を瞬時に察知して、つかむ荷の向きや位置によってヘッドを動かしては、しなるようにアームが上下左右斜めに空を切る。

細かい部品類のピッキングまでこなしてしまうのだが、金具などは「形と大きさ」を瞬時に見分け、つかむ・はさむ・ひっかけるなどしてつぎつぎに処理する。「これでは人間の出番が減るいっぽうだ」とつぶやいてしまう。

労働力不足への対応策は「業務平準化と合理化による省人化」という回答が圧倒的多数を占める。おそらくだが、人間が作業していたら今も依然として解決できなかったであろう「荷姿の統一」や「デジタル表示の徹底」「入数種別の少数化」などは、ロボットという、いわば「外力」によって仕入先との交渉摩擦や押し引きなしに成就してしまったように見受けられる。「そんな交渉が叶うなら、既存のままでも…」というぼやきの声が現場から聞こえてきそうでいたたまれない。

ロボットが稼働できる環境整備や入庫段階でのいくつかの「ひと手間」が叶うのなら、人間が作業しても相当の業務改善を得られたはずだ。管理者と作業者がともに人間であるから現場にハードルや関所が存在するということが、ロボット導入などであからさまに判明する。言い換えれば、予算の工面がつかなくても、そこそこに改善できる余地が、まだ人間には残されているのだ――とこじつけるように締めくくっておく。

■MUJINのロボット動画一覧(外部リンク)
https://www.mujin.co.jp/videos/