財務・人事日本郵船が3日に発表した2020年4-12月期(2021年3月期第3四半期)連結決算は、輸送量の減少や不定期船市況の低迷によって売上高が前年同期比8.6%減の1兆1459億円となったものの、定期船、航空運送、物流の3部門の大幅増益が不定期船部門の減益分を大きく上回り、経常利益が836億円増(3.2倍増)の1221億円となった。
定期船部門は、コンテナ船(オーシャンネットワークエクスプレス社)の短期運賃市況が上昇し、北米航路の積高・運賃・消席率が前年同期を上回る水準で推移。前年同期134億円だった利益が684億円に増加した。
航空運送部門は、前年同期に134億円の損失を計上していたが、旅客便減便による輸送スペースのひっ迫で運賃が高騰し、これにコンテナ船輸送スペース不足による航空運送への切り替えも相まって、部門損益が246億円の利益に転換した。
物流部門は、海上貨物とロジスティクスの荷動きが復調し、航空貨物の取り扱いも前年同期並みに回復したことから、大きく収支改善。前年同期43億円だった利益が174億円に増加した。
通期の見通しについては、第3四半期で好調だった3部門に加えて不定期船部門でも堅調な推移が見込まれることから、売上高1兆5400億円(7.7%減)、経常利益1600億円(2.6倍増)、最終利益900億円(2.9倍増)を見込む。
■決算集計(見出し:年/決算期/四半期、[]:前年同期比、単位:百万円)21/3/3Q | 21/3/中間 | 21/3/1Q | 20/3/通期 | |
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売上高 | 1,145,943 [-8.6%] | 722,031 [-12.5%] | 361,170 [-11.1%] | 1,668,355 [-8.8%] |
営業利益 | 47,953 [47.7%] | 16,690 [5.4%] | 8,947 [63.6%] | 38,696 [249.1%] |
最終利益 | 52,362 [179.4%] | 22,180 [99.4%] | 11,684 [27.8%] | 31,129 [ - ] |
売上高営業利益率 | 4.2% | 2.3% | 2.5% | 2.3% |