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米アマゾンが運転手のチップ天引き、和解金に65億円

2021年2月3日 (水)

国際米国連邦取引委員会(FTC)は現地時間の2日、米アマゾンが同社の商品配達サービス「アマゾン・フレックス」を請け負う個人のドライバーに対し、支払うべきチップを2年半にわたり天引きしていたとして、和解金6170万米ドル(64億8000万円)を支払うと発表した。和解金はドライバーへの補償に充てられる。

FTCが同社と傘下のアマゾン・ロジスティックスに対して提訴していたことを受けたもの。FTCによればアマゾンは「2019年にFTCの調査を知ったことで、ようやくチップの天引きを止めた」という。

アマゾンとアマゾン・ロジスティックスは、アマゾン・フレックスのドライバー募集の際に、配達業務の対価として時給18ドル(1900円)から25ドル(2600円)を支払うと定期的に宣伝。あわせて応募者には「アマゾン・フレックスでの配達中に稼いだチップについては100%受け取ることができる」と説明していたという。また、利用者に対しても、チップの全額がドライバーに支払われる旨を伝えていた。

しかしアマゾンは、時給に加えてチップの全額を支払うルールを2016年の後半に終了し、時給の引き下げを実施。詳細をドライバーに説明せず、時給の減額分を埋め合わせる形でチップを利用していたという。同社は2019年の夏に再び、事前に通知した時給とチップ全額を支払うルールを再開した。

FTCは今回の問題を受け、アマゾンが今後、ドライバーの同意なしにチップに関するルールを変更することなどを禁止するとしている。