東大など、長寿命・再使用型の追跡電子タグを開発

M&A東京大学大学院と同大発ベンチャーのパイクリスタル（千葉県柏市）、三井不動産、日立物流などによる共同研究グループは25日、物流向けの長寿命・リユース型無線電子タグの実証実験に成功したと発表した。温度や衝撃を感知する最新のセンシング技術を用いたもので、ワクチンを含む医薬品や食品などに関して、より安全・安心な物流システムの構築をめざす。

開発した電子タグは、温度などの情報を輸送中に継続して記録する機能を有し、無線接続が可能で、梱包の際に邪魔にならない薄型のフィルム状デバイスを活用したもの。低温輸送において求められていたものの、コストなどの問題により導入が進んでいない、継続的な温度管理サービスを安価に提供するという。実証実験は3件実施し、いずれも保冷箱内や冷蔵車内外の温度データの継続的な取得に成功した。

今年度中には、今回の実験に参画した企業や団体などで構成する産学連携コンソーシアムが、千葉県の柏の葉スマートシティで医薬品物流と鮮魚物流に関する大規模な実証実験を実施。事業化に向けた具体的な研究開発を進めるという。